北海道地震・レポート⑨安平町で聞き取り。家の中はメチャクチャ「見えにくいけど被害は大きい!」

9/27

 本日は安平町で支援。苫小牧から一人でボランティアに参加した聴覚障害の女性に手話で情報を伝達しつつ、一緒に70歳以上で“在宅避難”しているお宅へ訪問し、今後必要な支援は何なのかという聞き取り調査をしてきました。

 

片付け終わらないのに、VC縮小の情報 「実感とギャップ」

 受け持った数は34件。8割方は独居で「片付けもなかなか進まないし、余震で揺れても逃げる事もできずとても怖い」とおっしゃっていました。

 なかには肋骨を骨折した人もいて、それでも「ボランティアさんと話せて良かった」と気丈にも笑顔を見せてくれました。

 今回の北海道胆振東部地震は横揺れではなく、縦に大きく揺れたそうで、家屋を外側から見てもさほど大きな被害が目立ちません。がしかし、室内に目を向けると、食器類は割れて散乱し、洋服ダンスや本棚は倒れて壊れ、大変な被害となっているようでした。

見た目に建物が全壊しているのだとしたら心情的にももっと手を差しのべなければと思うのかもしれませんが、『目に見えにくい災害』というところに何か落とし穴が潜んでいるような気がしてなりません。

“目には見えにくいけど被害は大きい”という視点で関わっていかないと、救えるはずの問題も救えないままに終わってしまうかもしれないし、何か大事なものを見落としてしまうのではないかとも危惧します。

 そんなこんなを悶々と考えていた矢先に入ってきた行政からのお知らせでは、近日中のボラセンの縮小や閉鎖。そして災害ゴミの持ち込み今月一杯で打ち切りという連絡でした。現場住民のニーズとのギャップを感じざるを得ませんでした。

 今日のボラは個人宅を訪問したので町なかを歩いて移動しましたが、あちこちに地割れがあり、ズレた段差も大きい所ではゆうに30cmを越える程の段差もありました。この固い地盤が一気にここまでずれるのか??恐ろしい!

 

救急車で運ばれたのは足湯第1号のおばあちゃん

夕方4時からは場所を(厚真町)町民センターに移して足湯カフェを行いました。私が町民センターに着いた時に入り口に救急車が止まっており、一瞬心臓がバクッと大きくなりました。なんと運ばれたのは、ここでの足湯のお客様第一号のお婆ちゃんだったのです

詳しい原因はわかりませんが、吐血して札幌の大きな病院に緊急入院となったようです。

 とてもとてもショックな出来事でしたが、同じ避難所で生活を共にしている方々はもっとショックだっただろうと思い、改めて気を引き締めて足湯支援を丁寧に行いました。

 

夜、苫小牧で情報共有会議

◆夜には苫小牧へ行き、北海道胆振東部地震支援者情報共有会議へ参加しました。災害支援のプロフェッショナルの方々に交り、圧倒されながらも、熱心な議論を直接聞くことができ、有意義でもありまた刺激的な時間を過ごしました。

 私が初めて厚真町入りした時に取材させていただいた厚真社協の事務局長もいて、冒頭の挨拶の中で「ボランティアの皆さんのあたたかさに触れ感動した」と深々と頭を下げてお礼を言ってくださった姿を見て、逆に私が感動させられました。

 この地域の復興にはかなりの時間を要しそうです。微力ながらも今後とも何らかの形で支援し続けたいと決意を新たにしました。(大澤)