ユニバーサル就労ネットワーク栃木
ユニバーサル就労ネットワーク栃木
私たちの目指すもの
働きたい方へ
受け入れを考えている事業所の方へ

「働きづらさ」を抱えた人と仕事をつなぎます

ユニバーサル就労は、理由を問わず、働きづらい状態にある人を職場に迎え入れる取り組みです。栃木県内ではまだあまり取り組まれていません。先進地である千葉県では2014年から「ユニバーサル就労ネットワークちば」が活動を開始し、これまでに100人が就労しています。この取り組みを栃木県内で開始したいと思い、2021年、「ユニバーサル就労ネットワーク栃木(仮)」を設立しました。

一般就労、中間的就労(ユニバーサル就労)、福祉的就労

SDGsの「働きがいも経済成長も」、「みんなで取り組む」

SGDsの中にも、誰もが働ける場をつくること「働きがいも経済成長も」という項目があります。これは、福祉だけが、企業だけが、行政だけが個別に対応していても実現できません。さらにSDGsの17番めの「みんなが力を合わせ、一緒に」とりくむことが必要です。

私たちが「つなぐ」役割になります。―ネットワークと中間支援―

そのためには、複数の企業・事業所とネットワークを作り、多くの「働きづらさを抱える人」の伴走支援をし、両者を適切に「つなぐ」役割―中間支援組織(センター)―が必要です。みんながいきいきと働ける働きがいのある栃木を創るために、みなさんもぜひユニバーサル就労ネットワーク栃木に参加してください。

 

活動ブログ

【働きづらさの正体②】就職決まったらお終い、じゃない伴走支援

40代でてんかんを発症。免許返納、続く転職。

 

 宇都宮で一人暮らしをしている石井さん(仮名・55歳)は、大学を卒業後大手企業に勤め、働きながらさまざまな資格を取得してきた。順調に仕事をこなしていたが、40代でてんかんを発症。業務では自動車を運転することもあったので、上司に引き止められながらも退職を選んだ。バイクの運転が好きだったが、兄弟に言われて運転免許の返納もした。

 その後数年は療養に専念し、障害年金を受給し始めたが、貯蓄が少なくなったことから自動車部品製造のパート勤務を開始。急いで探した仕事は自転車で1時間かかるところにあった。体力には自信があったので6年間必死に通ったが、限界を感じ退職を決意。

 今度は近所の病院での調理の仕事に就いた。新卒で働いていた時に調理師免許を取得していた石井さん。そこでも真面目に勤務したが、5年ほどで契約が切れた。親の介護の経験があったので、次の仕事は介護職と決め求人を探した。

 

 「てんかん」というと不採用になる。10年以上発症してないが…

 服薬を続け10年以上てんかんを発症しておらず、医師からも就労の許可が出ているが、面接でてんかんであることを伝えると不採用となる。何かあったときのためにてんかんを伏せて就職することは考えなかった。続く不採用の連絡に精神的にも落ち込んできた。

 そんな時にフードバンクを利用し、ユニバーサル就労(UW)の存在を知ることになる。石井さんには、数年前のてんかん発作が関係しているのか、少し高次脳機能障害のような様子が見られる。ところどころ書けない漢字があったり、受け答えに違和感を覚えることはあった。しかし体力もやる気も社会性もある石井さんが、病気のために働けずにいることがもったいなく感じた。自力での就職活動と並行しながら、UW相談員との面談が始まった。

 

働きづらい理由は、てんかんだけじゃないかも。

 障害者雇用分野で活躍しているスタッフによるUWの面談では、30代でアルコールによる病気を発症していたことが分かった。フードバンクでの面談では聞き取っていなかったことだった。今まで気持ちを聞いてくれる人、一緒に考えてくれる人がいなかったのだろうということも推察された。

 もともと熱心に就職活動をしていた石井さんは、UWの面談をした数日後に自力で探した病院で働くことが決まった。「働きづらい理由がてんかんだけではない」と感じていた我々は一抹の不安を抱いていたが、いちおう石井さんの新たなスタートを応援した。

 ところが、病院での勤務が始まる前から、何か不安なことがあるとUW相談員に電話が来る。「風邪気味だが職場に行ってよいか」など、本来であれば真っ先に職場に連絡するような内容の時もある。UWの枠で決まった就職ならば、本人と職場の間に入ってやり取りしてフォローすることも可能だが、今回は自力で見つけた就職先。こちらは職場と直接やり取りできないもどかしさを感じる。しかし、今まで一人でやってきた石井さんに相談相手ができたことは大きい。UWでできることを模索しながら、これからも付き合いが続いていくだろう。(松)

 

※ユニバーサル就労は、全ての働きづらい人のための中間的就労の仕組みです。障害者・若者以外にも働きづらさがあります。仕事になじめない人の就労支援をしています。電話028-622-0021(とちぎVネット内)

【ユニバーサル就労の今①】障害を隠して働く”働きづらい人”

 牧田さん(48歳:仮名)の提出した履歴書には、過去の素晴らしいキャリアが並んでいた。社員のマネジメントやマシンのオペレーションを得意としていたが、夜勤による体調不良を懸念して5年前に退職。その後農業や製パンを学び、キャリアと技術を活かして人の役に立つ仕事をしたいということで福祉作業所のスタッフの面接に来た。

 しかし採用面接に現われた牧田さんの第一印象は、履歴書の人物とは大きくかけ離れていた。イスに斜めに座り、すべての質問に口ごもり、愛想笑いで回答を避けた。発達障害か精神障害があるのでは?と感じた。

「こんな履歴書を書いていたら、ここが彼にとって最後のチャンスかもしれない、何とかしてやらないと…」という義侠心に駆られて、採用を決めてしまった。

 

●「職員というより、利用者です」

 希望を叶えてあげたい気持ちと、本人の特性を生かした業種を見つけてたい気持ちで準備した職員としての業務は、パン製造、弁当・総菜事業、自主農園の運営、農家での援農、の4種類。本人の希望や、得意、できる、の意思表示に従って、先輩職員のもと試用期間として業務に取り組んでもらった。

 休むことも遅刻することもなく職場に通い、決まった時間に利用者のためにお弁当を運ぶ姿を見て安心していたのだが、普段から知的障害者の就労支援をしている職員からの報告では「支援員も作業員も務まらない“支援対象者“である」ということだった。約8か月間で4事業すべてにかかわったが、どの担当者からの報告も異口同音。面接での様子から、強みを見つけてほしいとお願いしていたのだが、かえって「できないこと探し」になってしまった。

 例えば、全般的に段取り通りに作業ができず、段取りをすることも当然できない。今、何の材料を何グラム量っていたのかがわからなくなってしまう。ピーラーが使えず、野菜の切り方(現物と手本を見せるが)もできない。畑に出てニラの周りに生える雑草を抜くが、ニラを踏みつけてしまい「商品にならない」とクレームがくる。注意や進言をしても、本人の自己評価は高く、間違えや失敗を認めることは一度もなかった。

 

●突然の退職。「障害の受容」ができていないかも…

 最低賃金すれすれで働く職員の時給は900円で、支援を受けながらB型事業所で作業する利用者は時給200円(月額工賃2万円)。そのなかで牧田さんを職員として守り続けるのは正直困難となってきた。

 牧田さんは両親を亡くしており、アパートで猫と暮らしている。生活を維持するには収入確保は必要不可欠。何とか働き続けられるようにと、事業所の長として、勝手に方向転換し、本人との面談や、専門機関による就労アセスメント、これからの生活について“障害ある人”としての相談援助を開始した。だが、これがよくなかったのか、牧田さんは突然退職してしまった。自らの弱みに確定診断がつけられるのを避けたかのような素早い対応であった。

 クローズ(障害や困難を隠して)で働く人の苦悩は、支援者としてわかっているつもりだった。しかし、配慮というものの中には、その人の背景や思い、その人との関係性からでたニーズに基づいて行うことも重要であることを教えてもらった。

 次に牧田さんに出会ったのは、2年後のフードバンク。こことちぎVネットでやっている「ユニバーサル就労」の利用を、自分で申し出てきた。あの当時からあったのか、その後取得したのかわからないが精神障害者保健福祉手帳2級を持っていた。障害者雇用枠で採用された職場での「配慮の欠けた労働環境」から抜け出すべく、ユニバーサル就労にやってきたのだった。(牧)

 

※ユニバーサル就労は、全ての働きづらい人のための中間的就労の仕組みです。障害者・若者以外にも働きづらさがあります。仕事になじめない人の就労支援をしています。電話028-622-0021(とちぎVネット内) 

ユニバーサル就労ネットワーク栃木設立!協力企業・ボランティア募集

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【終了しました】10/17働きづらい人の就職「ユニバーサル就労」発足・説明会。参加者募集

働きづらさを抱えた人を職場に迎え入れるしくみ「ユニバーサル就労ネットワーク栃木」の発足会が10/17にあります。「ユニバーサル就労とは何か」をテーマに「はたらく」ことについて講演会と説明会の行いますのでぜひご参加ください。

「ユニバーサル就労ネットワーク栃木」発足会

●2021年10月17日、13:30-15:30、トライ東(栃木県宇都宮市今泉町3007)

●定員/リアル40人、ZOOMでも配信します。

●内容/①基調講演(13:40-14:40)「ユニバーサル就労とは何か―千葉の10年の取り組みから―」

平田智子さん(NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちば・副理事長)

③現場の報告:A小澤勇治「フードバンクに来る人の現状と課題」、B中野謙作「若者支援の現状と課題」(14:50-15:20)

④意見交換・まとめ(15:20-15:30)

●ユニバーサル就労ネットワーク栃木(事務局:とちぎボランティアネットワーク内)info@tochigivnet.jp 電話028-622-0021 FAX028-622-0021(担当:矢野)

●ユニバーサル就労ネットワークちば:団体紹介●2014年に設立。活動は2008年から。主に千葉市を中心として、働きづらさを抱えた方々の就労支援(社会参加~就職活動までをメインとしています)をしている。その人の働きづらさを適性検査や面談を重ねながら共に考え、工夫できるところはグループワークや就労体験などでトレーニングしながら、その人のペースに合わせて就労支援を進める。また、ユニバーサル就労(中間的就労)の普及啓発活動や支援を実施。千葉市、松戸市、浦安市では生活困窮者自立支援制度の就労準備支援事業を、また千葉市ひきこもり地域支援センター、千葉市子ども・若者総合相談センターLinkの運営を受託している。「 どういう支援を受けたら良いのか分からない」など支援先悩む人の相談も受けている。

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