食品支援のほかに「借金、どうする相談」も可能。立ち直り支援つきフードバンク

このラジオをやっているNPO法人とちぎボランティアネットワーク(以下Vネット)は、とちぎコミュニティ基金だけでなくフードバンクもやっている。55日のラジオは「フードバンク相談室」の小澤勇さんがゲストだった。フードバンクの現場から見た物価高による生活困窮者について語ってくれた。

 

 

単なる食料支援を超えた「役所ではない相談窓口」

Vネットのフードバンクは単に食品を配るだけでなく、社会福祉士も相談員として関わっているのが大きな特徴である。

食品を求める人の背景には、単なる食糧不足(お金がない)だけでなく、病気や障害、アルコール依存、家庭環境などの複雑な生活課題が潜んでいる。そのため相談員が個々のケースを分析し、自立に向けたアドバイスや他機関への橋渡しを行うケースワーク(個別相談支援)をやっている。フードバンクは食品流通の機能重視だが、ここはフードパントリー(食品の直接提供)の機能を重視している。

 

事例20年前の借金18万が120万に」

番組では、小澤さんが最近携わった具体的な支援事例を紹介した。

55歳男性は糖尿病を患いながら生活保護を受けていたが、公共料金の滞納により電気やガスが止まるほど困窮していた。さらに1998年頃に消費者金融から借りた約18万円が利息によってなんと120万円以上に膨れ上がり裁判所に提訴されたという。

小澤さんは法テラス(日本司法支援センター)の予約が数ヶ月先まで埋まっていて無料の弁護士相談ができないことが分かると、知りあいの弁護士へ相談をつないだ。結果、「時効である」と認められ、借金問題は無事に解決。こうしたスピード感をもった他機関との連携こそがVネットのフードバンク相談窓口が果たす重要な役割と言える。

 

「物価高がきつい。今までなんとか生活できた人がますます辛くなった」

そして最近の傾向として小澤さんが挙げたのが、物価高が年金生活者の暮らしを直撃している現状である。特に国民年金のみ(月額約7万円)で生活している人は、生活保護基準(7.1万円、家賃込みで11万円)よりも受給額が低い場合があり、公共料金を支払うと食費が残らないこともあるという。また、製造業が多い栃木県特有の課題として、派遣労働者が仕事を失うと、同時に社宅(アパート)を追われホームレス化してしまうと教えてくれた。

 

広がれ「相談支援つきフードバンク」

小澤さんは、こうした「がけっぷち」に立つ人を一人でも多く救うために、全国に相談機能を備えたフードバンクが広がることを願っている。

食品の寄付は、宇都宮市内のスーパーや市役所、ファミリーマートなどに設置された「絆ボックス」や、Vネットへの直接でも可。ただし、賞味期限が1か月以上残っているものだ(米、缶詰、レトルトカレーなど)。条件が色々あって提供できる食品の数・種類の限界を実感した。フードロスの削減と、食べ物に困る人の両者が得をするもっと良い仕組みはないものかと感じた。(ラジオ学生:加藤)