「私もできることからやってみる」帰り車中で思った

最初にぶつかったのは片道9時間の壁…

 

 4月10日から12日までの能登ボラに参加するため、10日夜6:00とちぎボランティアネットワークの事務所からワゴン車に乗り込んだ。私は乗っているだけだったが、9時間の道のりで早くも心が折れかけた。地震の影響で地面が凸凹になり、車が大きく揺れることも多かったが、無事、宿である金蔵集会場に深夜3時に到着。運転手のみなさん、本当にありがとうございました。

 

家も畑もなくなった。仮設住宅暮らしの生きがいはなに?

 

 数時間寝て1日目の活動がスタート。午前中は足湯を行った。足湯につかっているお客さんにハンドマッサージをしながら、お話を聞いた。午後は夕暮れ酒場を開催。私もビールとおでんを買い(400円)、みんなで乾杯し、おしゃべりしながら楽しんだ。

 皆さんとお喋りして気が付いたことはズバリ「生きがいの大事さ」だ。「地震と豪雨によってこれまで暮らしてきた家や畑、仕事を失い、仮設住宅に来てからは毎日ぼーっと過ごしている」と寂しそうに話す人や、「仕事がある人がうらやましい」と嘆く人が多かった。生きがいや人生の楽しみを突然失うことの辛さは計り知れない。私はなんと返したらいいかわからず、その場では相槌を打つことしかできなかった。

 その一方で、NHKの夜ドラ「ラジオスター」(月~木22:45-23:00)が新たな楽しみになっていると感じた。「○○さんが映ってた」「俺も映ったんだ」と話す顔は楽しげだった。足湯や夕暮れ酒場の活動も能登の皆さんの楽しみになっているといいな。

  

楽しい未来が待っている!私(20)より若々しい柴野さん(80)

 

 2日目は土砂をかぶってしまった花壇の整備からスタート。粘土みたいな土砂を耕して、平らにするのはかなり力が必要だった。その花壇にこれから植物を植える計画をしているのは80歳の柴野さん。他にもいろんなものを育てていて、最近マスカットの栽培をはじめた。柴野さんの前には未来しかない! 就活を目の前にして足踏みしている自分の目には柴野さんが眩しく映った。

 

私もできることからやってみる! 「家族&友達 巻き込み計画」

 

 倒れたままの木。ブルーシートで覆われた家。地震によって隆起し、遠くなった海岸線。今まで写真で見てきた光景を実際に見て衝撃を受けた。故郷がこんな状態になり辛いはずのみなさんに「大学生頑張ってね」と声をかけてもらい、私のほうが励まされてしまった。2日目の昼に集会場を出た。また9時間かけて宇都宮に戻る。帰り道は辛いどころか、むしろ次に能登ボラに参加するときのことを考えていた。次回からは学校の友達や家族を巻き込み、回を重ねるごとに能登ボラの輪を広げていきたい。(野田小百合/宇都宮大地域デザイン科学部3年)