10月21日のみんな崖っぷちラジオでは、うじいえ自然に親しむ会と、NPO法人水辺環境保全研究所の代表である高橋伸拓さんをゲストに迎えた。高橋さんは、絶滅危惧種に指定されているシルビアシジミというチョウの保全活動に取り組んでいる。シルビアシジミは、幼虫期に食草とする河原に生えるミヤコグサが減少したことで、生息環境が大きく失われてきた。高橋さんで二代目の会長となる同会は、新たにNPO法人として活動を継続・発展させようとしている。今回は、その経緯や法人化によって見えてきた今後の展望について話を聞いた。
「自然共生サイト」。民有地で、生物の生存環境を確保する取り組み
今回は環境ラジオ放送回として、環境団体の活動紹介に加えて、環境保全分野全体の課題についても話をした。環境省が掲げる「30by30」とは、2030年までに陸と海の30%を保全することを目標としたSDGsの取り組みである。そのために国立公園などの公的な保護地域に加えて、民間の土地であっても生物多様性が守られている場所を「自然共生サイト」として認定する制度が進められている。目標達成まで残り5年を切る中で、これからどのような行動が求められているのか…。私自身初めて知ったことだったので、非常に考えさせられる内容であった。
冒頭で紹介したように、うじいえ自然に親しむ会は、2025年3月31日に新たにNPO法人 水辺環境保全研究所として法人格を取得した。団体名から特定の地名が外れたことで、地域を限定せず、より広い範囲での活動や連携が可能になった。会員が大きく減ることなく活動が継続でき、法人化のデメリットはほぼ無かったという。
「自然の中に身を置くと、昔を思い出す」。幼少期に自然の経験を。
保全活動の雰囲気についてもお聞きした。毎週やっているボランティア活動ではみんなで集まって、わいわいと楽しく活動する空気を大切にしている。若い人たちが友達を誘って参加し、中高生のユースボランティアが群を抜いて多い。また、活動はその場に集まった人のつながりを生むという。とかく環境団体は専門家が多く硬くなりがちだが、ボランティアを受け入れの工夫が活動の継続につながっていると感じた。
高橋さんは生まれも育ちもシルビアシジミの発見地である鬼怒川河川近くだ。再び地元に戻ってきたときに昔の河川敷と比べて外来種が多くなっている姿を見て、「自分がやらなければならない」という思いになったという。自然の中に身を置くことで、昔の記憶を思い出す。だからこそ、子どものうちに自然に触れる経験をしてほしいと語っていた。
今回の放送を通して、環境保全は制度や目標だけで進むものではなく、地域での継続的な活動と、人と人との関係性の中で支えられていることを実感した。(ラジオ学生 井本涼菜)
