■「ぼーっとすれば鳥の鳴き声」だけの中で、農家の底知れぬ気力を感じた
今回、私は 1 年ぶりに栃木ボランティアネットワークの一員として能登を訪れた。活動 1日目は、午前中は拠点近くの農家の手伝いをした。ビニールハウスの部品分けと桃の木の支柱をはずす作業だ。ボランティア 8 人でテキパキとこなしていき、あっという間に終わった。これを普段は 1 人(か2人)で行っているのかと考えると頭が下がる思いだ。
農家は自分の意思で自分が動かなければ何も始まらない。80 代のあの方(※写真左)のどこからその気力が湧いてくるのか。ボーっとすれば鳥のさえずりしか聴こえてこない静かで広大な自然の中で、底知れない気力を感じた瞬間であった。
その日の午後はゆうぐれ酒場を開催した。想定よりも客足が少なく、振り返りのミーティングで様々な課題があげられていた。事前の告知や酒場の目的について周知すること、看板やメニュー表の配置などなど試行錯誤しながらの運営なのだなと思った。
でも、改善点を見つけられることは、住民に対してうまくはたらきかけをしたい、何かきっかけを与えたいという気持ちをボランティア皆が強く持っているからなのだと思う。この思いが空回りではなく、対象となる住民にしっかりと伝わり良いはたらきかけとなることを期待する。
■私の能登は、新しい人とのつながりが生まれる場
活動 2 日目は女性チームで足湯をした。ボランティアの 1 人が、来てくれた住民に「折り紙でひな人形を作ろう」と提案すると、「狭くて置く場所が無いからね~」 「そんな器用じゃないし…」と言うものの、両面にきれいな柄のある折り紙と好きな色を各々が選び始め「 みんなで作ろう」ととても明るく前向きな雰囲気になった。順番に折り方を教えると隣の人同士でもう一度確認し合い、難しそうなら手を貸し、完成すると互いに褒め合い、照れくさそうにニコニコと笑顔になっていた。その後、足湯も実施し、帰り際「来てよかった~」と言ってもらい、そのような時間を一緒に過ごすことができて嬉しかった。
何度も能登にボランティア活動に行く中で、私にとって能登は、被災地としての場所ではなく、新たな人とのつながりが生まれる場所だと感じている。ゆうぐれ酒場や足湯を通して接した方はもちろん、道の駅で声をかけた人、温泉で熱いお湯が出てくるシャワーを教えてくれた地元の人、様々な人と関わることの充実感が、このボランティア活動にはある。特に能登ボラという同じ意志を持って出会った栃木ボランティアのメンバーは様々なバックグラウンドで日常では出会えないような世代の人たちだが、その人その人の色があり、集団としてとてもカラフルで活気あふれる雰囲気が、私は大好きだ。これだから能登ボラはやめられないのかもしれない。(守愛美:もり・まなみ/大阪大学看護学部・2年)
能登ボラ募集中>>こちら
