〝沖縄〟は、日本全体が共有している問題。国のやり方は「民意無視、地方軽視、徹底したゴリ押し」

2月10日のみんながけっぷちラジオは、「NPO・市民に聞く戦争と平和ラジオ」。毎年この時期は沖縄の谷山博史さんから沖縄のリアルな軍事化の状況と、市民による〝非戦〟平和活動を話してもらう(今年は2・3・4月の第2火曜日)。谷山さんは、NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のスタッフとして、アフガニスタンやタイ、カンボジアで活動した経験をもつ。現在は沖縄県で基地問題や台湾有事に関して取り組む。「沖縄対話プロジェクト」では、台湾有事を起こさせないために、台湾、大陸(中国)の人々を沖縄に呼び対話の機会を作っている。第一回目となる今回は、最近の辺野古基地の建設問題を聞いた。

 

■日本の米軍基地の7割が沖縄。日本が作ってあげている新・米軍基地

 

 米国の世界戦略の重要な拠点となる米軍基地。日本にある米軍基地の約70%が沖縄にあるという。これまでも、米兵によるレイプ事件や土地収奪、犯罪、騒音など様々な問題が起きてきた。もし戦争が始まれば、基地がある場所が一番初めに攻撃される。沖縄に住む人々は常にその不安にさらされているのだ。

その中でも、辺野古基地は他の基地問題と同じく括ることができない。多くの沖縄の米軍基地は米政府のもとで作られてきた。しかし辺野古基地は、日本政府が主導して作られているのである。2023年には、建設を拒む県に代わって、国が新たな区域の埋め立て設計変更を代執行(※注)した。新基地建設反対を表明した県知事が3代にわたって当選し続けていても、県民の意思は無視され、国が建設を強行している。政府の沖縄県に対する姿勢に問題があることは言うまでもない。

※公有水面の埋立の許認可は県知事にあるが、知事が軟弱地盤等の理由で承認しないことに代わり、国(防衛庁沖縄防衛局)が建設の承認を代行した(代執行)。これは、国が県を行政不服審査で訴えるという前代未聞の方法で行った。

 

■そもそも基地を作って大丈夫なの? 基地建設の実現可能性を巡る問題

 

 1995年の米兵少女レイプ事件を契機に市街地で危険な普天間基地移設を日米政府が約束した。だが、県外(国外)ではなく沖縄県内の辺野古に新基地を作ることになったのが辺野古「新」基地問題の発端だ。

辺野古新基地建設のための大浦湾の埋め立ては20241月から始まり、翌年からは海底に杭を打つ作業が始まった。大浦湾の地盤はマヨネーズ状の「軟弱地盤」で、埋め立てて構造物をつくるにはゆるい地盤だった。砂杭(すなぐい)のための砂は沖縄の北部沿岸から削り取られ使われており、打たれる杭は7万1千本にものぼる。問題はそれだけでない。軟弱地盤の深さは当初70mと公表されていたにも拘わらず、実際には海面下90メートルだったのだ(水深は20)。海面下90mまで杭を打つ工事は世界でも前例がなく、実現可能性には疑問が残る。工費も当初の2.7倍の9300億円かかる。

さらに、ラジオでは自衛隊基地の南西シフトにより、与那国島、石垣島、宮古島などの先島諸島がミサイル基地化している現状にも触れた(詳細は3月10日のラジオで)。

 

[ラジオ後記] 沖縄の基地の話は、なんだか自分が住む地域とはあまり関係のないように思えてしまう。それは、私の近くに基地がなく基地問題の実感がもてないこと、沖縄県内とそれ以外の地域で報道される基地問題の情報量に差があることなどがある。しかし1つ言えることは、沖縄で起きていることは、沖縄県外の人にも決して無縁ではないことだ。インタビューやラジオ放送の時にも話題に出たが、原発事故や原発再稼働の国の政策と共通する部分がある。解決すべきことを後回しにして政策実行に向かう国の姿勢の基本は、「民意の無視」と「地方軽視」、「徹底したゴリ押し」である。沖縄の今を知ることは、国の国民に対する姿勢を知ることにも直結すると思った。(ラジオ学生とま)

  

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