報道されないからといって能登の状況が元に戻ったわけではない

夜中3時着。真っ暗

 

 8月の第2金曜から日曜にかけて、はじめて能登ボランティアに参加した。宇都宮市内にある事務所に集合したのは金曜日の午後18時ごろ。私を含めて大学生が3人とその他にも初参加の人も複数人いて、緊張しがちな私でも安心した気持ちで馴染むことができた。

 宇都宮を出発は19時頃。そこから車での長旅が始まった。途中何度か夕食休憩やトイレ休憩をはさみながら、能登に着いたのは午前3時ごろ。辺りは真っ暗で何も見えないから「能登に来た」という実感は無かったが、グーグルマップの現在地を見て長距離を移動したこと改めて気づいた。

 

海の近くで足湯。豆大福づくりにワクワク

 

 1日目の土曜日は、曽々木振興センターで足湯の会をした。来てくれる方々に足湯でリラックスしてもらいながら、手のマッサージをして冷やしたタオルでリフレッシュしてもらう。窓から綺麗な海と空が見える位置で、心も体も視覚的にも心地よい空間になったのではないだろうか。午後は地元の方が提供してくれたもち米と小豆を使ってみんなで豆大福を作った。豆大福をすべて1から作ったことは初めての経験で、終始ワクワクしていた。

 

「笑顔=不安がない」ではない。

 

 2日目は町野の仮設住宅で足湯をした。あいにくの雨で来てくれる方は少なかったが、その分ひとりひとりとじっくり話せた。印象的だったのは、「笑顔=不安が無い」ではないということ。能登で出会う地元の皆さんはとても明るくて笑顔にあふれていると私は感じた。けれど、足湯の時間を通して時間をかけてコミュニケーションをとると笑顔の奥にある感情が見えてくる。ぽつりぽつりと当時の状況を話し始めたその表情から、未だ残る不安や恐怖を感じ取った。

 

 いま、能登の状況を知っている人はどのくらいいるだろうか。能登を気にかけている人はどのくらいいるだろうか。全国ニュースで多く取り上げられたのはやはり災害があった直後であり、今はあまり報道されていないように感じる。しかし、報道されていないからと言って能登の状況が元に戻ったわけではない。私が見たのは、青い海・青い空・美しい緑があふれる能登。明るくて優しく話してくれる地元の人たち。けれど同時に、1階が押しつぶされたままの家屋や土砂崩れで茶色い土がむき出しの森、そして笑顔の裏に不安を抱える人たちも見た。どれも本当の能登の姿。テレビや新聞の情報だけでは分からない痕跡がまだ残っていたのだ。私は今回のボランティアを通し、実際に行って、目で見て、話して、自分の心で感じることの大切さを学んだ。これを読んでくれたあなたにも、ぜひ能登ボラに参加してあなたの心で感じていただきたいと思う。(ラジオ学生とま)