子どもたちに「仮設に住むつらさも聞いた」

 まず今回のボランティア活動に参加したきっかけはとても単純なものでした。最初は友達に誘われて自分は将来建築士になりたいと思っていて、その勉強のためのとても軽い気持ちでボランティアに参加しました。

 

建築士的興味。仮設という環境の弊害もある

 

 最初のボランティア活動では、仮設住宅にの窓にプチプチをはることでした。季節が冬ということもあって外での活動はなく主に室内で行える作業が主な活動でした。

 仮設住宅は簡素なもので窓からくる冷気を防ぐための作業でした。作業をしていく際に、窓全面にプチプチをはりたいという人と「一部分だけはらないでほしい」という人がいました。全面にはりたいという人は「向かいの仮設住宅の人から家の中が見えないほうがいい」という理由で、一部分だけはらないでほしいという人は自分の家があった場所を眺めるのが好きだという理由でした。

 やはり、知らない人に家の中を見られるというのはプライバシーの観点からあまりよくないもので仮設住宅の弊害というものを感じました。その次の日には別の仮設住宅の集落に行って、別の仮設住宅の窓にもプチプチを張りました。

 

昔は全校生徒1000人いたよ。いま40人

 

 その後子供たちの遊びに付き合い、その時におじいちゃんが話しかけてきて、そのおじいちゃんが小学生のころ(70年前)には、小学校の全校生徒が1000人いたという話を聞きました。しかし今では全校生徒が40人ほどという話を聞いて、過疎と災害の影響を特に感じた話でした。

 また、子供たちと話していく中で子供はとても正直なので、仮設住宅に住むつらさや普段の生活がとてもつまらなく感じているといった話がありました。しかし、子供たちはとても元気で逆に自分たちが元気をもらったように感じました。

 最後に、今だに仮設住宅の生活から抜け出せないのは沢山の理由があると思いました。震災から約一年たった今でも多くの倒壊した建物や傾いた建物があり、それは、この地の気候や、お金がない、現場の人手が足りていないなどの影響もあると思います。それらの大きな問題に対して僕たちのような学生ができることは「ないにも等しい」と考えます。

 しかし、ぼくたちのような学生だからこそ被災者の人たちに元気といったものをあげることができると思いました。

 能登のみなさん、ボランテイアの皆さん、誘ってくれた倉谷、一緒に行ってくれた伊吹ちゃんありがとうございます。次も予定が空いていたら行きますよ(笑)

高橋直希(佐野日大高校3年)