ただ毎日過ごす日々。抱えた無力感、将来への不安。初めてボランティアをしてマイナス感情を払拭できた!

 

「それでも諦めない」という光・希望をボランティアに被災者に子供に見た

 

 被災者と同じ経験をしていなかったから共感ができなかった気がした。そんな私のような人間が、本当に話を受け止める資格があるのか。ただ「頷くしかできなかった自分」に無力さを感じた。

 それでも「同情が被災者の支えになる」ということ、何もかも復興していない逆境の中で「それでも、それでも諦めない」という一つの光、希望をボランティアや、被災者や、子供たちの笑顔から感じた。

 

いい大学、いい就職が良いとされる高校生の常識を壊してくれた。

 

 被災者、支援者それぞれ立つ土俵、抱えた不安の種類も違う。住む地域も、何もかも違うけれど同じ人間だから手をとってお互い支え会う。その笑顔に自分も励まされた。また励ますことができた自分に誇りを持てた。

 偏差値の高い大学に行き、安定した会社で働く、そんな社会のレールに乗るという僕ら高校生が抱えた世間の常識。良いとさせる生き方を壊してくれたとても良い経験だった。

 たくさん親に学費などで世話をかけた、それでいてただ毎日過ごす日々。抱えた無力感、将来への不安。初めてボランティアをしてみてマイナスな感情を払拭することができ、自分が役に立ち必要とされる輝ける場所、方法を見つけたことをとても嬉しく思う。

 

「遠慮しない方がいい」「素直に自分を表現すること」「たくさん笑うこと」ができていなかった。

 

 いろんな世代の方々と関わってみて、言葉遣い、礼儀を学んだ。

 話の広げ方、どんな聞き方でどういう接し方でどんな態度でとたくさん気を遣った。また遣って頂いたと思う。政治関係の話、お金の話が、ボランティアも被災者も話していた話題の一つに多かった。

 「遠慮はしない方がいい」ということ。「素直に自分を表現すること」「たくさん笑うこと」が当たり前だけどできてなかったと気づかされた。逆に言えばそれらができない環境、社会になりつあることを実感した。

 おすそわけ、横のつながりを久々にみた。コロナが流行り、SNSが普及して「見えない壁と距離があったんだ」と改めて感じた。

 2日目にもとやスーパーの店長さんの手作りカレーを食べた時にみんなを思う気持ちの味がした。思いやりの精神、食べて飲み込んで改めて自分の物にしようと思った。

 

まとめ。「拒絶されるかと思ったら、そうじゃなかった」

 

 誘ってくれた倉谷ありがとう。そしてボランティアのみなさんへ、優しく丁寧にいろいろなことを教えて頂きありがとうございました。僕なりに見よう見まねで頑張れたと思います。また能登のみなさんへ。僕は正直、拒絶されるかと思ってそんな覚悟で行きました。なぜなら僕らは同情しかできないから。けれども実際に行ってみて全然違いました。受け入れてくださった、「楽しんでって」と言ってくださった、そんな温かさに心が救われた気がします。1/24~26の短い間でしたがお世話になりました。もちろん僕もまた今度行きますよ(笑) 

平澤伊吹(佐野日大高校3年)