高校3年この時期だし、人生初のボランティア

 僕は今高校3年生です。今回僕の友達2人誘って3人で応募しました。まず今回ボランティアに参加させていただいた経緯を話したいと思います。理由は単純ただ気になったからです。高校3年生のこの時期は自由登校期間で時間があるので、せっかくだしやったことないことをしてみたいと思い参加を決意しました。

 

「窓の向こうは自宅があった場所」。そこだけ貼らずに残してきた

 

 1月25日。

 この日が人生初ボランティア。午前中は指定されたお宅(仮設住宅)に伺って、窓の大きさに合わせて包装材(プチプチ)をはりました。なぜなら冷気を防いで室温を暖かく保つためです。その作業中に一つとても印象に残ったエピソードがあるのでご紹介します。

 高齢の夫婦二人暮らしのお宅を訪問した時のことです。包装材をはろうとしたら1部分だけはらずに残してほしいと言われました。

「おじいちゃんがここからみえる景色が好きでねぇ」と。

 窓の向こうには、以前お二人が暮らしていた家があったそうです。地震で全壊して、今は何もないその土地を日々眺めて暮らしておられる。どういう想いで眺めているのか…僕にもその家の思い出が見えてくるような気がしました。

 仮設住宅に向かう車中で数々の全壊した家を見ました。そのひとつひとつに家族の思い出が詰まっていたはずです。地震で失ったものは「家」という建物だけでないということをまざまざと感じました。

 

子どもと年齢近い僕たちの仕事は「鬼ごっこ」

 

 1月26日午前。

 この日の活動は午前まで。集会所でおばあちゃんたちの足湯の手伝いをしていると、小学生の子供たちが顔を出したので、一緒に鬼ごっこをしました。ボランティアというと高齢者への活動がメインというふうに思われるし、実際僕もそう思っていたけど、こういう子供たちとの活動という目的もあるなと感じました。年齢の近い僕たちだからこそできることがあるんじゃないかと思いました。

 

「やりたい」から「やろう」までは時間がかかった。

が「やろう」から「やる」まではスグでした。

 

 最後に。たった1日半の活動の中にここには書ききれないほどの学びや感情がありました。

 僕は震災直後からボランティア活動をされてる人々の姿をみて僕もボランティアをやりたいという思いはありました。ただどうすればいいのかという活動への第一歩をなかなか踏み出さずにいました(今回はたまたま時間があったので決断できましたが)。実際どうすれば良いのかわからなかったからです。

 まず初めに市役所行き、その後社会福祉協議会に行くように勧められました。社会福祉協議会では実際のボランティア活動について詳しく教えてもらうことができ、そこからはスムーズでした。「やりたい」から「やろう」までは時間がかかったけど「やろう」から「やる」までは時間がかかりませんでした。あの時一歩を踏み出さなければ貴重な経験ができなかったと思います。

 能登のみなさん、ボランティアのみなさん、学校の先生方、一緒に行ってくれた友達、一生に残る貴重な経験ができました。ありがとうございます。もちろんまた行きますよ(笑) 倉谷悠太(佐野日大付属高校3年)