【古谷農産】有機農業の未来を切り拓く古谷忠さんの挑戦

 今回は、栃木県大田原市で有機農業に取り組む「古谷農産」の古谷忠さんにお話を伺いました。

古谷さんの農業に対する深い情熱、子どもの頃から育んできた思いを話していただきました。

幼少期から育まれた農業への思い

 古谷さんの農業への関心は、実は非常に早い段階で芽生えていました。「小学生の頃から、農業をやりたいと思っていたんです。夏の草取りの作業や、家族で田んぼに行くのがとても楽しくて。草取りをした後、ピクニック気分でお弁当を広げ、最後に温泉に寄って帰るといった家族の時間がとても心地良く、いつしか農業の楽しさに魅了されていました。」と笑顔で振り返ります。

 その後も農業に対する興味は続き、農業高校への進学を希望しましたが、家族から「もっと他の世界も見てからにしなさい」と言われ、一般の高校を選びました。しかし、農業への情熱は変わらず、大学も農学部に進学して専門的に学びました。「ずっと農業をやりたい気持ちは変わらなかった。逆に、農業から一度距離を置いたことで、その魅力や大切さを再認識するきっかけにもなりました。」

4代目として継ぐ農業への挑戦

 現在、古谷さんは家業を継ぎ4代目として古谷農産を経営しています。

本格的に農業に携わるようになってから約12年が経ちますが、その間に様々な挑戦を続けてきました。2023年には新たな代表としての役割も担い、組織の新たなステージに進む決意を固めています。

「僕たちの農園では、お米を中心に、麦、大豆、そばなども栽培しています。すべて無農薬で育てるというスタイルを貫いており、これは環境への負荷を最小限に抑えるための選択でもあります。」と古谷さんは説明します。特に、有機農業における栽培方法については、自然のサイクルを最大限に利用し、化学肥料や農薬を使わない持続可能な農法を実践しています。

 「例えば、大豆を栽培すると、その後に植える作物の肥料が不要になるんです。 大豆が土壌に窒素を供給してくれるため、肥料を使わずに収量を確保できる。このように、自然の循環を活かした農業ができるのが有機農業の魅力ですね。」

有機農業への思いと課題

 有機農業の実践においていくつもの課題に直面しています。特に、農薬を使わない栽培方法では、雑草の管理が非常に大変で、雑草が繁茂しないように、田んぼの水位を調整するなど工夫をしています。また、草刈りは太陽が高くなる前や日が沈んだ後に行い、一日の作業は季節によって大きく変わります。

 一日は、朝の4時半に始まり、田んぼの水管理や草刈りを行い、日中はトラクターを使った作業、夕方からは再び草刈りを行い、まさに”太陽とともに働く”生活を送っています。農業の現場は常に自然と対話し、工夫を凝らしながら進める必要があります。

「有機農業は、体に良いと言われがちですが、実際には環境に優しいという点で注目されています。僕たちは、地域の自然と共存しながら持続可能な農業を追求しているんです。」

地域と子どもたちへの貢献

古谷さんは、地元の幼稚園や学校とも連携し、子どもたちに自然と触れ合う機会を提供する活動を行っています。「幼稚園の子どもたちと一緒に田植えや稲刈りを体験するイベントを毎年開催しています。実際に土に触れ、農作物を育てる楽しさを体験してもらいたいと思っています。 

 また、学校給食にも古谷農産の米を提供しており、地域の食育にも貢献しています。「子どもたちが自分たちの食べるものがどのように作られているのかを知ることで、食べ物の大切さを実感してもらいたいんです。」

多様な働き方と農業の未来

 古谷さんは、農業の可能性を広げるために多様な働き方にも挑戦しています。

「例えば、草刈りだけをスポットでやりたいという人にも参加してもらったり、体を動かすことでリフレッシュできるような働き方を提供しています。」と、新しい取り組みについて語ります。さまざまな形での農業への参加も試み、都会からの学生や働く人々に農業体験の機会を提供することを目指しています。

 また、農業のテーマパークを作るという壮大な夢も持っています。「農業に触れ合える地域の農園を作りたい。例えば、田植えが終わった後の田んぼを泥遊びの場にして、子供たちが自然の中で思い切り遊べる場所にしたいんです。」

今後の目標と伝えたいメッセージ

 古谷さんの目標は、「地域に根付いた農業を展開し、安心して食べられる食材を提供すること」です。「有機農業というと、体に良いから食べなければならないというイメージがありますが、それ以上に、自分の体に合った食べ物を選べるようになってほしい。健康が幸せの土台ですから、自分の体と向き合いながら、食べ物を選んでほしいと思います。」

編集後記

 有機農業を通じて自然との共生を追求し、地域の子どもたちに食と自然の大切さを伝える古谷さんの取り組みは、農業の新しい可能性を切り拓いています。「農業のテーマパーク」という大胆な夢も、行動力と情熱で実現しそうです。古谷農産が、自然の魅力を伝える場所としてさらに多くの人々に愛されることを願っています。(しょうちゃん)

リンクはこちら⇨https://youtu.be/79ssmswmGv4?si=FAOH32kTesADPKu7

動画ではインタビューの様子を詳しく紹介しています!ぜひみてね

ブログでは語りきれないエピソードもありますよ!

【古谷農産】 http://www.furuya-farm.com/