「作られる戦争」。米軍基地・米兵による被害。「軍隊は住民を助けない」沖縄戦の教訓。

 1月9日の「NPO・市民に聞く戦争と平和ラジオ」では、沖縄から谷山博史(たにやまひろし)さんをゲストに迎えた。谷山さんはNGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」スタッフとしてアフガニスタンやタイ・カンボジアで活動してきた。現在は沖縄の基地問題や台湾有事のシンポジウムを開いている。今回は自身のNGOでの経験や基地問題の歴史と現状をお聞きした。

 

「つくられる戦争」情報操作もアメリカのやり方

 谷山さんがJVCの活動でアフガニスタンを訪れた時は、まさにアメリカの「対テロ戦争」の時代だったという。現地で人道支援をするが「アフガニスタン人スタッフは、家族や親戚の誰かを米軍に殺されていた」という。大国が戦争を正当化し軍事力を行使する状況を目の当たりにした。「正しい戦争、仕方のない結果だ」と報道されるのも、意図的な情報操作であることも多いという。

それを谷山さんは「つくられる戦争」という。悪いイメージを持たれている国(中国、北朝鮮…)でも実は日米、日韓の軍事演習などが事前にあり、挑発されたり脅されたりしている場合もあるし、情報が切り取られている(隠されている)可能性もあるという。「対話」を避けて戦争に走っている状況で「仕方ない」という文言で片づけることは許されない。

 

殺人・暴行・発がん性物質汚染、墜落事故、土地収用…米軍基地の被害

 沖縄の歴史と差別についても語ってくれた。独立国だった琉球王国は薩摩藩の過酷な支配のあと1879年に日本に併合された。その後も沖縄人への差別が続く。特に本土の「捨て石」にされた沖縄戦は残酷な歴史として知られている。県民の4人に1人が亡くなった地上戦では、集団自決などで多くの市民が犠牲になったという。だから「軍隊は住民を守らない」が県民の教訓となった。

戦後も1972年に本土復帰するまで米軍の統治下におかれ、今も日本全体の70%の米軍基地が沖縄にある。復帰後にも「土地の強制収用」などの無法行為があり、日常でも米軍兵士による暴行、殺人、基地からの発ガン物質汚染、墜落事故…がある。県民の反感があるにもかかわらず、その意志を政府は無視している。

 

基地反対が沖縄の民意 無視して辺野古移設を強行する国

 27年前、沖縄米兵少女暴行事件で起きた空前の6万人の県民デモ。その声に応えて普天間基地を返還することに合意したかに見えた日米政府だったが、それは名ばかりで、実際には新しい基地創設を切り出した。それが辺野古基地である。先月には、基地の海面埋め立て工事を許可しない沖縄県に代わり工事を承認する「代執行」の訴訟で国の主張が認められた。国が県を訴えるという前代未聞の事態である。米軍基地問題はまさに今も続いている問題なのである。

 

見えてきたマスコミによる情報格差(情報隠し)

谷山さんや市民が参加する基地建設阻止デモや代執行の申立は、本土でどのくらい報道されているのだろうか。見えてきたのは、マスコミによる構造的な情報格差(情報隠し)だった。問題だらけの基地問題だからこそ、避けずに関心を持つ必要がある。現に沖縄県民の声は、デモや沖縄県内の報道などを通して十分形に表れているはずだ。

 

私は昨年沖縄を訪れ、その自然や人々の美しさに感動した。その沖縄で昔から今まで起きていることは決して他人ごとではなく、沖縄のニュースにさらに目を向けていこうと改めて思った。(ラジオ学生とま)