自治会メンバーが集って始めた子ども食堂

 今回のゲストは、宮っこ支援センターSAKURaから高橋清人さん(36)だ。大曽西町自治会のメンバーが集って運営する子ども食堂の広報を担当している。メンバーは地域のシニアの方の人が多く、ネットに詳しい高橋さんに「やってみないか」と誘いが来た。

開始は昨年12月。7年前からおこなってきた地域のシニアへの支援に加え、地域の子どもたちへの支援もしたいと思ったことがきっかけだ。運営メンバーは、「コロナになり子どもの顔がマスクで見られず、どんな子がいるのかわからない」「子ども会の活動が止まってしまった」と地域で子どもをサポートできないことに課題を感じていた。そこで宇都宮市がおこなう子どもの居場所づくりの支援制度を使い、子ども食堂の活動を始めることに決めた。

 

子どもも創る居場所

子ども食堂は予約制で運営している。「去年は月二回だった子ども食堂が、今年は1回になってしまった」と予算やボランティアが足りないことに苦心している。

一方で子ども食堂を訪れる人はだんだんと増えており、活動の必要性を感じている。最近では2030人を超えることもあり、予約を超えた人数を受け入れることも増えてきた。

限られたボランティアの数ではあるが「ここに連れてきたお母さんが少しでも家事や育児から離れ、リラックスしてほしい」と保護者が休息できる場所を目指している。試しにカフェスペースも設けた。保護者同士が話せる空間や、資格勉強の時間になっているという。

また子どもと遊ぶ中では「元気な子どもたちの姿が、いい雰囲気を作ってくれる」と感じることもあるという。ある子は元気に走り回りすぎることもある。しかし「お手伝いが得意だ」といい、食後の片付けや掃除に協力してくれる。また2歳位の小さな子どもたちの面倒をみてくれるお世話上手の小学生の女の子もいる。

「大人が一方的に支援するというわけではなくて、子どもたちも協力してこの居場所の雰囲気を作ってくれている」と、子どもの力で元気をもらえるのだと話す。

 

子どもを中心に「地域がつながっていく実感」

子ども食堂には、保護者がかかえる相談に乗れる専門家(民生児童委員、保護司、福祉協力員、保育士、看護師)が、ボランティアとしてかかわっている。また、高橋さん自身も相談支援を学び、複数の支援ネットワークに加入している。今後も重層的に悩みの解決を図れるようにしていきたいという。

さらに、SNSでも積極的に発信を行ってきた。その甲斐もあって「わざわざ県外からボランティアに来てくれる人もいるんです」という。SNSを通した出会いもあり、地域の企業から子どもの体験キットや食材をもらうことや、市内の支援団体から情報が得られることもある。「団体を応援してくれる中間支援団体(とちぎコミュニティ基金)が地域にあるので頼もしい」とこれからも支援の輪が広がり地域全体の支援につながってほしいと話す。(鈴木花梨)

 

 

●募集●子ども食堂・居場所のボランティア募集!…食品・物品の寄贈、運営資金の寄付をお願いします。一緒に活動するボランティアも募集! まずはご見学からどうぞ。「宮っこ支援センターSAKURa」で検索。

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