元気な森を未来に受け継ぐ。「トチギ環境未来基地」

ボランティアの力で地域の森を元気に。

6月28日みんな崖っぷちラジオのゲストは塚本竜也さん。益子市を拠点に活動している「トチギ環境未来基地」の会長で、元コメントおじさんだ。トチギ環境未来基地は手入れができなくなって荒れてしまった森林や竹林をボランティアと一緒に整備し、元気な森や里山をつくる活動をしている。団体設立から今年で10年ほど、活動初期から大切にしていることは、「若者に現場に来てもらい一緒に汗を流して作業をしながら、地域や環境について考える機会をつくること」だという。コロナ前は若者が3ヶ月間共同生活をしながら、森林整備の作業をしたり、ご飯を食べながら環境や森について語り合ったりというプログラムも行なっていた。

 

プロの業者ではなく、ボランティアが森林整備を行う意義とは?

「森林整備」と聞くと技術や体力が必要なイメージがあり「素人のわたしには難しそう‥」「プロだけでやった方が効率的なんじゃない?」と疑問を持つ人もいるだろう。ボランティアが自分の手で作業をする意義とはなんだろうか。

塚本さんは「一時的に森が綺麗になっても意味がない。どうやってその状態を維持するかが重要。そのためには森林の空間をうまく利用したり、人の関わりを作り出したりといった工夫が必要だ」という。森に新しい価値を作ったり、元々持っていた機能を回復させたりといった工夫をしている。また自分の手で作業をして「大変さ」を実感することで「いつも眺めていた農村の綺麗な景色が、実は地元の方々の努力で守られていたものだったということに気付き、違う景色に映るようになる」と塚本さんは続けた。

森を守り続けていくためには「大変だけどやりたい」というボランティアの力が大切で、そんな「やりたい」を形にするために、トチギ環境未来基地ではボランティアや思いのある若者にいろんな形で「森の入り口」をつくり、新しい森の使い方や価値の再定義に取り組んでいる。これはボランティアだからこそできる活動であり、業者にはできないことだ。

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トチギ環境未来基地では毎月森林や竹林整備のボランティアを募集しており、誰でも大歓迎だそうだ。普段はパソコンやスマホの画面に向かってばかりいる私も今回竹林整備に参加してみた。(画像はボランティアで竹林を整備している様子)ノコギリやナタの使い方からベテランのボランティアが優しく教えてくれ、初心者でも楽しく活動できた。私にはできないかも‥と思っている人もぜひ気軽に参加してみてほしい。【佐藤優】