他人事じゃない!誰にでも起こりうる引きこもり

10/4(火)のみんながけっぷちラジオは、NPO法人KHJとちぎベリー会から斎藤三枝子さん。斎藤さんはご自身の経験からこの不登校、引きこもりの家族支援の活動をされるようになり、20年以上活躍されている。

〇「引きこもり支援の形は百人百様!?」

とちぎベリー会では、不登校、引きこもりになった人の家族で集まって対策を考えたり、大学の専門家を講師に招いて勉強会を行っている。また、引きこもった当事者の社会復帰のための居場所事業

もしている。引きこもり問題で当事者は支援団体に直接相談に来ることはほとんどなく、対話ができない状態。そのため、当事者の一番近くにいる家族の支援が最初の入り口となる。しかし、引きこもりになるまでの過程や家庭環境、本人の性格などは様々であり、形式化された支援の形は定まっていない。当事者とその家族の数だけ支援の形があるという。

〇家族が当事者を理解することが一番!

引きこもり問題の悪い例は、家族が目の前の外に出られなくなった現状だけ

を見て、ダメだしや注意をしてしまうこと。斎藤さんは「当事者は辛い経験を経て引きこもりとなる。その過程を理解されず家族に非難を受けると、自分の家すらも安心できる場所でなくなってしまう。まずはどうしてこうなったのかを考えてあげてほしい。理解を示すこと、本人の声に耳を傾けて関わり方を考えることが大切だ」と話す。

当事者がこうして安心して生活できるようになり、心に余裕を持てるようになったら、次は少しだけ背中を押してあげるサポートになる。そうして徐々に社会に出ていく後押しをしていくのだという。不登校、引きこもり問題では自分だけでなんとかしようとせずに、支援団体とつながることが大切。これらは誰にでも起こりうる問題であり、他人事と考えてはいけない。また、当事者が社会に出ていくときに安心できる居場所がたくさん増えていってほしいと話す。

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取材の中で、私自身も引きこもりの手前であったことを思い出した。幸いなことに家族がうまく対応してくれたおかげだが、少しでもかけてくれた言葉が違っていたら、今の私はいなかったかもしれない。それくらい身近なもので、思い返して恐ろしくなった。

また、前回の更生保護の回に引き続き、今回も高齢化が問題になった。当事者が働けない、手遅れな状態であったり、発見が遅れるなど本当に深刻な問題であると感じた。(中島)