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「隠さなければならないことじゃない‼」小さく早く生まれた赤ちゃんの家族の力になりたい!! 栃木県リトルベビーサークル小林恵さん

 

小さく生んでしまってごめんね」。抱え込んだつらい思いが原動力に

 

 今回のがけっぷちラジオのゲストは、栃木県リトルベビーサークル「にちにちらんらん」の小林恵さんだ。

 「リトルベビーサークル」とはなんだろう? 聞いたことがない人も多いだろう。リトルベビーは、日本語にすると「早産児」「低出生体重児」。日本では10人に1人がリトルベビーだと言われている。赤ちゃんと家族が「小さく生まれた」という共通点で集まれるのがこのサークルだ。

 全国39都道府県に拠点のあるリトルベビーサークルのうち、小林さんは栃木県の代表だ。栃木県を拠点に活動をおこなっている。去年9月に栃木県でも立ち上がった。小林さんは「自分のようにつらい思いをしたママと気持ちを共有したい」と、お子さんの幼稚園入園をきっかけに立ち上げた。

 小林さん自身もリトルベビーママだ。お子さんは、今は4歳になる。妊娠6カ月で生まれた赤ちゃんは、500g未満。ペットボトルより軽い、小さな体で生まれた。NICU(新生児集中治療室)に毎日通い、赤ちゃんの体重が1g増えているだけで、その成長に大喜びした。一方でつらい事もたくさんあったという。面会に行っても何もできず見つめるだけの日々、出産した実感のない少しへっこんんだだけのお腹、毎日届けたい母乳がでず泣いた日もあった。

 退院後も「小さく生んだ」ことでつらい思いを経験する。母子手帳の発育曲線に点が打てず、発育を問う回答には全て「いいえ」に〇をつけることしかできない。市の保健師さんのリトルベビーへの理解不足や定期健診で感じる他の子との成長の差に、落ち込むこともあった。また病院の待合室やスーパーで会った人からの何気ない「赤ちゃん小さいね」という言葉にさえも傷つくほど、疲弊したこともあったという。

 

●「隠さなければいけないことじゃない」自宅で泣いているママたちに「どうかつながって」

 リトルベビーや家族への理解は今も少ない。近所の人に知られたくない、自身の親にさえもなかなか言えないママも多くいる。現在では少しずつではあるが、リトルベビーへの支援に乗り出す自治体も出始めた。小林さんは現在、県と協力し、母子手帳のサブブックとなる低出生体重児のための『リトルベビーハンドブック』の作成をおこなっている。

 またサークルでは、対面での交流会や理学療法士への相談会などのイベントを開催。Zoomでの交流会では、県外のママも参加してくれるなど、県を越えた交流もある。小林さんは自身が仲良くなったママたちと励まし合った経験から、このサークルがママの集まるきっかけになればと話す。

 またママに向け、メッセージを送った。インスタを見て心がほっとしたり、時々連絡を取りあったり、イベントに出向かなくても、どんな関わり方でも大歓迎だという。コロナ禍で孤独を感じているママ、自宅で泣いているママに「どうかつながってほしい」と目を潤ませながら語った。

 

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 ママたちの働きかけからできた『リトルベビーハンドブック』。矢野さんによると、このような取り組みは「当事者運動」という。医療の発展により救える命が増えた一方で、その後の支援には課題が残る。『母子手帳』の例のごとく、公的機関のマニュアル通りの対応から除外されたママは、ないがしろにされ続けている。それに変化をもたらしたのは、当事者のママたちの運動だった。小さかった運動が、法改正(母子手帳の内容の改正)にまで結びつこうとしている事実を知り、小さな力もたくさん集まれば大きな力になることを実感した。(鈴木花梨)

 

 

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