足元の課題を住民が解決する。地域密着型「うつのみやオリーブ」

●フードシェア、子どもの居場所、放課後子どもの家。

 6月14日みんな崖っぷちラジオのゲストは梅村さん。宇都宮市の豊郷地区で活動する「うつのみやオリーブ」の理事長だ。「オリーブの花言葉は平和と知恵。未来を担う子どもが平和に過ごせる環境を整え、地域の方々の沢山の知恵を子供たちに伝えることができたら」と話す。地域の課題を地域住民で解決することが目標で、多岐にわたって地域密着型の活動をしている。

 一つ目がフードシェア配達。地域の規格外農産物など市場には卸せない食品、消費期限間近の家庭内の食品を収集し、支援を必要とする家庭へ無償提供している。食品ロス削減に貢献しているだけでなく、家庭への食品配送時にコミュニケーションを取ることが子育ての悩み相談や子どもの安否確認という役割も果たしている。

 二つ目の活動が居場所づくり。「関係性の貧困」を未然に防ぐことができるように、親の子育ての負担を軽減し、子供の前向きな気持ちや生きる力を育む「親と子どもの居場所」を提供している。離れた地域に引っ越した後も毎週わざわざ豊郷地区に足を運んでくる利用者もいるほど、多くの親子の支えとなっている居場所だ。

 三つ目が子どもの家。放課後に保護者が不在になる家庭を対象に、放課後の安全安心な生活の場を提供している。うつのみやオリーブは今年(2022)から「子どもの家指定管理者」として小学校6校の学童保育の運営を宇都宮市から受託した。

 

●「あったかすぎる」豊郷。人から人へ助け合いの輪。

「豊郷地区はどんな地域ですか?」と聞くと梅村さんは「地域の方はみんなあったかい、あったかすぎるくらい」と笑顔で答えた。地域住民からの応援・寄付がたくさんあり、活動はほとんど寄付で賄えている状態だという。また学童では「梅ちゃん先生」と子どもたちに呼ばれているそうで、子どもの笑顔が毎日の原動力と言う。

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 今回初めて梅村さんにお会いし、あたたかく一緒にいると明るい気持ちになれるような人だという印象を受けた。そしてお話を聞いていて、梅村さんだけでなく、その周囲にいる人や豊郷地区にも同様のあたたかさやエネルギーを感じた。地域を支え、助け合いの輪を広げる「うつのみやオリーブ」と梅村さん。今後の活動にも注目だ。【佐藤】