不登校=ダメなこと?? 学校に行きづらさを感じているあなたに知ってほしい、フリースクールという選択肢。

●コロナ禍、居場所がない不登校生のために開校!

 

 8月9日みんな崖っぷちラジオのゲストは長谷川さんと角田さん。大田原を拠点に高齢者の孤立問題に取り組む一般社団法人えんがお。「1週間に1回しか人と会話をしない」、「地域につながりがない」。そんな高齢者への支援をはじめとして、障害者のグループホームや若者の活動拠点作り、地域食堂など多岐にわたる活動を展開している。えんがおの強みは高齢者を軸に障害者、大学生、中高生などさまざまな人が「ごちゃまぜ」になって活動をしていること。多世代の交流、新たな価値観との出会いがある。

 そんなえんがお内でコロナ禍、不登校生の受け皿としてのニーズが高まったという。コロナ禍で不登校になる中高生が増え、居場所がなく塞ぎ込む子どもがいた。目の前のニーズに応えるべく、えんがおでは今年6月フリースクール「ごちゃごちゃ」を開校。大学生が運営スタッフとして多く関わり、ゲストの角田さんもその1人。一緒にバスケットボールをしたり、ゲームをしたり、さらに高齢者の生活支援を行ったりなど、中高生にとってさまざまな人と交流できる貴重な社会体験の場になっている。

 

●将来は中野さんのように。「ごちゃごちゃ」な居場所で得た新たな価値観 

 

 多世代の交流が強みであるフリースクール「ごちゃごちゃ」。ゲストの2人もそんなつながりの中で価値観の変化があったという。

 角田さんはかつて自身も不登校で通信制の学校に通っていた。バイトか家を往復する生活に退屈さや寂しさを感じていたところ、知人に連れられえんがおへ。高齢者の生活支援やえんがおのイベントに参加するようになり、楽しさや新たな出会いがあったという。

 以前は「学校に行っていない」というだけで減点されているような感覚があったが、さまざまな生き方をしている大人に出会い「学校に行っていないだけで、どうってことない」と思うようになった。選択肢はたくさんある、縛られるものはないと感じ、その考え方が今も自分の支えになっている。現在大学2年生、自分のような不登校生に「自分より、良い思いをしてほしい」そんな思いで活動をしている。

 「地域に居場所はあるけど、不登校生の72%は家にいるというのが現状。外からのアプローチが必要だ」という。角田さんはそういった子どもへの支援も行いながら、将来はコメントおじさんの中野さんのように手広く活動をしたい、社会的に影響を与えられたらと笑顔で語った。「学校にしか学びの機会がないのは窮屈、子どもを地域社会全体で育てることが理想」だという。

 長谷川さんは以前は人と違うことが怖いという気持ちがあり、「普通でいなきゃ」と無理をしていたという。だが、えんがおに関わり、ある意味「普通から離れた」価値観とも出会い受け入れて行くなかで、自分自身も人の目線より自分の幸せを優先できるように変わったという。

 最後に長谷川さんは「誰にでも不登校になる可能性はある、不登校もひとつの道。その中でフリースクールという選択肢を知っていれば本人も親も気持ちが楽になるんじゃないか。フリースクールの存在をもっと多くの人に知ってほしい」とリスナーに投げかけた。

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 「ごちゃごちゃ」なコミュニティの中で互いに刺激し合い新たな価値観やつながりに出会える。そしてゲストのような熱い想いを持った若者が活躍している。学校で学ぶこと以上のものが得られる場なのではと可能性を感じた。今、苦しさや居場所のなさを感じている中高生にこんな素敵な選択肢もあるということを、ぜひ知ってほしい。【佐藤優】