負の連鎖を断ち、子どもと親の人生の再スタートを伴走して支援「青少年の自立を支える会」

●「1516歳で出会うのでは遅すぎる」。子ども時代が護られなかった子たち

4月5日みんな崖っぷちラジオのゲストは星美帆さん。「青少年の自立を支える会」で子どもの居場所を運営している。支える会は今年で設立25年。最初は自立援助ホーム「星の家」から始まった。義務教育後、経済的な後ろ盾がなく生きるために働かざるを得ない子どもたちを支援するために活動を始め、子どもたちは星の家で生活をしながら働き、自立に必要なお金を貯める。これまで送り出した子どもは150人程。後ろ盾がなくなる理由は主にネグレクトで、「護られるべき子ども時代が護られず、心に深い傷を負った子どもが多い」と星さんはいう。心の傷を癒すことは容易ではなく、そういった子どもと関わるうちに「15歳、16歳で出会うのは遅すぎる、もっと早く良い大人と出会い、関係性が築けていたら」と思い、子どもの居場所「月の家」を始めた。

 

●困難な状況の家庭は沢山ある。子どもは親の苦労に気づいて我慢している

月の家は地域にある「もうひとつの家」。小中学生が放課後に来て遊んだり、勉強をしたりする学童のような場所だ。また食事の提供や入浴、学習支援なども行い子育てをサポートしている。

星さんは「子ども時代って大切。遊びで心が解放される。月の家にいる間は子どもらしく思いっきり遊んでほしい」と語った。子どもは親が一生懸命なことや苦労していることに案外気付いていて我慢しているという。地域には困難な状況で頑張っている親子や孤立している家庭が実は沢山ある。そういった家庭にとって月の家は、子育てを支援するだけではなく精神的な拠り所にもなっているだろう。

「もっと早く出会いたい」という思いで始めた月の家だが、星さんは「今はお腹に赤ちゃんがいる頃から。お母さんにもっと早く出会いたい」と語る。虐待や貧困は連鎖すると言われるが「青少年の自立を支える会」のような継続的なつながりや関係性の構築が連鎖を断ち切ると感じた。【佐藤優】