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歯ブラシを集める歯科治療のNGO。県北に。

 111日のゲストは関口敬人さん。那須塩原市のせきぐち歯科医院の院長さんで、かつ「ハローアルソン・フィリピン医療を支える会(通称:ハロアル)」の団長を務めています。

 

フィリピンのスラムに歯医者の支援

ハロアルは2004年に発足したNGOで、フィリピンの首都マニラ近郊のスラムに、無償の歯科治療と歯ブラシやタオル・固形石鹸などの生活物資等の支援をしています。毎年2月に訪問していますが、1年を通じて物資と寄付の募金を行っていて、歯ブラシ等は随時現地に送っています。現地の活動パートナーとして「マニラ・ラハ・ソライマン・ロータリークラブ」と連携し、年間を通じてフィリピンの災害支援等も行っています、と関口さん。

 

虫歯で死ぬ子。「歯ブラシを寄付することが命を救うボランティア」

 スラムは無数にあるのですが、フィリピンで最も貧しい地区であり、住民は「極貧層」です。家族4人が1日100円程で生活し、今日食べることにも困窮しています。子供たちはお金がないので学校に通えず、街に出て物乞いをしたり、ゴミの埋め立て地から鉄くずやペットボトルなどお金に換金できるものを探すスカベンジャーとなって家計を助けています。また、スラム地区では米1キロが日本円で約80円、歯ブラシ1300円です。なので今日食べることもできないスラムの住民たちはたった1本の歯ブラシさえも買うことはできません。住民の口の中はボロボロで、なかには虫歯の菌が全身に波及し、死んでしまう子も少なくないのが現状です。また教育が受けられないので、歯の大切さや歯磨きの仕方すら知らない人たちがほとんどです。だから、歯を守る道具である歯ブラシを日本とフィリピンのスラムをつなぐボランティアのバトンとして集める活動を行っています。現地の人たちの歯を守るだけでなく、「虫歯によって死んでしまう現実」を考えれば、歯ブラシを寄付することが命を救うボランティアになっているのです。これは何不自由なく生活できる私たちの社会の在り方を考え直すきっかけにもなるでしょう。

 

「現地の歯医者のための病院を作る」が夢 

関口さんの夢は現地に歯科医院を作ることです。「現在は年に1度の単発的な治療しかできていないので、現地に病院を作りメンバーが交代で現地に訪問できれば。」と話していました。そこでの治療は日本人ではなく、現地の先生にお願いをします。「たとえ貧困で治療を受けられないとしても、言葉も文化も違う異国の先生より現地の先生の治療を受けさせてあげたい」という気持ちからだそうです。関口さんは「病院に技術指導、啓発活動を行って、医療支援を通じた真の国際交流を行いたい」と話していました。

 

今回のラジオはYouTubeにも載っています!気になる方はこちらから!

https://youtu.be/waAEPUFKCGY