小さい時から高齢者まで、街中の居場所=みんなの保健室

○「医者に行くほどじゃないが…」健康に不安がある人どうぞ!無料です

 11月2日の放送回では「NPO法人サロンみんなの保健室」の理事長を務める渡邊カヨ子さん(理事長)から看護師ならではの地域活動のお話を聞いた。

 まだ始まって半年だが、「みんなの保健室」に行けば、体や心の健康に関する様々な相談が無料でできる。怪我や病気、子育て、体重のことなど幅広い相談を受け付けている。宇都宮の街中にあって、小さいお子さんから高齢者まで、性別や身分関係なく、どんな人も気軽に訪れることができる点が魅力でもある。また、病院よりも自由にゆっくりと話せるため、それぞれの人のニーズに合ったアドバイス等を伝えることができる。お客さんの中には、発病には至らないものの健康な状態から離れつつある「未病」の人が多いため、その人が通院する事態に陥らないように、栄養面や運動面など様々な観点からアドバイスもする。そのおかげで、以前よりも性格が明るくなる人も多いという。

 

○糖尿病患者の増加は、社会の問題!

 渡邊さんは元々、日雇い労働、失業や低所得などで、生活や健康に問題がある反社会的な人が多く住む地区の病院で働いていた。病院に訪れる患者を見る度に、「みんな幸せになるために生まれてくるのになあ」と、不安定な生き方を憐れむ気持ちになっていた。それから8年後、また別の地域の病院に再就職すると、糖尿病を患ったせいで、足を切断したり人工透析をしたりする事態に陥ってしまう患者が多く見受けられた。糖尿病などの生活習慣病を患ってしまう理由に、「お金がなかった」、「病気のことについてあまり知らなかった」といったものが多かった。そんな理由で発病する患者は、一時的に治療してもまた同じ過ちを繰り返してしまう。「私たちがやっていることって、意味あるの?」と思っていたようだ。

 そんな患者が多いのは、社会的な面に問題があると考えた渡邊さんは、病院の仕事から離れて、栃木県看護協会の会長となり、行政や病院ではできない様々なことを始めた。その一つが、「みんなの保健室」の設立である。

 

○引きこもりやニートの人「みんな来て」

 「みんなの保健室」では、どんな人が訪れてもいいことになっているが、渡邊さんは「ちゃんと働けそうなのに働けていない引きこもりやニートの人を助けたい」と話す。相対的貧困であり生活習慣病を患う可能性の高い人を生活面やキャリア面から支えることが大切だと考えている。そのような人にも「みんなの保健室」の存在を知ってもらえるように、10年後には街中で認識がもっと広がっていることを期待していた。このブログを通して、少しでも渡邊さんの力になれたら幸いである。(櫻井)

 

今回のラジオはYoutubeにも載っています!ぜひ聞いてみてください!

リンク↓

https://youtu.be/t4kt35VkhNo