「時間預託」。仲間に支援をして、自分が困った時には支援をしてもらえる全国チェーンの仕組み

◇ーボランティアで、第二の人生に生きがいと健康を

7/27()のみんながけっぷちラジオでは、「ニッポン・アクティブ・ライフ・クラブ」の頭文字をとったNPO法人ナルクと、ナルクとちぎについて事務局長の高倉さんにお話を伺った。

会の名前のとおり退職後の高齢者のアクティブ・ライフがテーマで、「自立・奉仕・助け合い」がモットー。シニアの積極的な社会参加を進めて、会員同士が「できることを・できるときに・ボランティアとして」助け合う自助の会だ。独自の「時間預託制度」を全国規模で展開している。この仕組みがあることで、遠く離れて暮らす老親の介助や家事支援なども、ナルクの地方支部の代行支援によって行なえる。意外にスゴイNPOがナルクなのだ。

時間預託制度は、自分が他の会員に家事援助や外出支援などのボランティアすると支援をした分だけポイントが貯まり、自分が困った時にそのポイントを使って支援を受けられる仕組みである。これよいところは現金のやり取りが一切ないこと。ポイントを貯める楽しさもあり、目に見えて活動の成果が実感できるので、会員の励みにもなっている。

 

◇老後の暮らしに切実な「送迎の助け合い」

 ナルクは全国に102の拠点があり15,000人の会員が、さまざまな助け合いを行っている。特にナルク栃木では「送迎」の活動が多いという。免許返納した後の移動手段や、普段の買い物など様々な場面で重宝されている活動である。自治体間で走っているオンデマンドタクシーもあるが、値段が安い代わりに移動範囲が狭いという欠点がある。ナルクの会員同士であれば、オンデマンドタクシーよりも格安で広い範囲を送迎してもらえる。免許返納や通院など高齢になると移動が制限されがち。さらに介護保険は使えず、年金には限りがある。そんな老後の暮らしにナルクの助け合いはとても貴重で重要な地域のインフラだと思った。

 ナルク栃木の今の課題は、会員の平均年齢が上がっていること最近、会員の加入資格年齢を50代から20代へ下げたが思うように若返らない。「定年退職の年齢が上がっているのでなかなか解決しないな」と高倉さん。

 

◇海外でお世話になった経験、「ボランティアで恩返ししたい」

海外赴任も多かった高倉さん。「困った」と手を挙げれば、近所中が集まってくるとのこと。風邪をひいたとき、近所のコミュニティの中にがいて、無料で診てもらえたこともあるそうだ。

 海外で非常にお世話になった経験があったため、帰国後「自分も日本で同じように助け合いをして恩返しをしたい」と強く感じたという。結果的に高倉さんは「福祉関係で何かしたい」、ナルクにたどり着いた。

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  高倉さんは最後に「少しでも困っている人がいたらぜひナルクのコミュニティに入ってみて」と言う。助け合いの輪が広がることで、老後も過ごしやすい世の中になると私・田中は思った。ナルクではボランティア活動だけではなく、芋煮会など四季ごとに親睦会等なども開催しているので楽しく活動ができるだろう。若い人もぜひナルクへ行ってみてはいかがだろうか。(たなか)