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『奨学金付き林業インターンシップで森林と若者を育む』

622日みんながけっぷちラジオはNPO法人トチギ環境未来基地 代表の塚本竜也さんにお越しいただき、若者と一緒に地域の森を管理するプログラムや環境問題にどうアプローチするかというお話をいました。

 

アメリカの環境保全活動を日本へ輸入

塚本さんは高校生のとき環境問題に興味をもち、大学卒業後にアメリカのシアトルで開催されているコンサベーション・コアという環境保全活動に参加した。多国籍の若者が集まって地元の森林や公園を約9か月かけて整備・管理し、環境保全のノウハウを学ぶプログラムである。アメリカでは林業の従事者が多く社会経験を積むために参加する人も多い一方で、学力や金銭面に不安を抱く若者がこのプログラムに参加することで進学または就職のチャンスを広げられる、具体的に言えば大学に行く給付型奨学金がでる、インターン期間中も給料が支払われるなどのメリットがあるため参加するケースもある。もちろん地域の環境保全に携わりたいと考え参加する人もいる。私ぐらいの大学生が主に参加しているアメリカではメジャーな活動である。

塚本さんはその保全活動を日本でも行おうと考え、2009年から栃木県で独自のコンサベーション・コアをスタートした。日本では里山や竹林などで3か月間、多国籍の若者でチームを組み雑草の刈り取りから遊歩道の整備などを行うそうだ。また自然体験の場として、幼稚園や小学校の子供たちに整備した里山を遊び場として提供している。太い枝を輪切りにして絵をかいたり、切った竹を斜面に並べて滑り台代わりにして遊ぶなど自然の中で思いっきり遊んでいる子供たちの様子が楽しそうだった。

 

「環境問題の解決に反対する人はいなくとも、大変さを知っている人は少ない。」

アメリカと違い、塚本さんが始めた活動に対して企業や国がお金を出してくれるわけでもなく、その経験のおかげで学力の差が埋まる、就職に有利に働くということには至っていない。NPO法人が自らお金を集め、若者の経験のために投資しているのだ。「そこまでして若者やこどもたちと一緒に里山や森林を利用して活動する理由はなんだろうか?」と私は考えた。塚本さんは「環境問題の解決しようと声を上げたとき反対する人はいないけど、実際に動くときその大変さを知っている人は少ないんですよ。」とお話してくださり、私ははっとした。確かに植林一つとっても、「津波で流された海岸沿いの松林を再生したいとき」と「雑草や低木が生い茂る山の斜面を広葉樹でいっぱいにしたいとき」では、解決方法も労力も規模も全く違うことを私は経験をもって知っている。しかし、そういった経験がない人はどうだろうか?だから将来社会で活躍していく若者と一緒に活動して興味をもってもらう、そして活動の大変さを、身をもって体験してもらう機会を作っているのだ。大変だけど、大切なことだから自分ができることをやる、という若者が増えることが増えることが日本の森や里山を守る大きな力になる、と信じている。

 

身近な活動から環境保全に目を向ける

日本は国土の7割を森林が占め、私たちが受けている恩恵は大きい。コロナも相まって里山の利用価値が見直されている今、まずは近くの環境保全活動にボランティアとして参加してみるのはいかがだろうか?SDGsという持続可能な社会を目指した17個の目標が掲げられ、保全活動に参加する人や企業、取り組みも増えてきた。環境問題は昔から「どうにか解決しよう!」と声をあげるばかりでずるずると未改善のまま今日まで引きずってしまっている。今回のラジオを聞いてくださった方、このブログを読んでくださった方が環境問題を解決するための第一歩として小さなことから行動してくれると嬉しい。

 

(佐藤)