【DARC】はまるのは簡単、抜けるのは困難、一生薬物依存者です

 9月22日のゲストさんは、DARC(ダルク)女性シェルターとちぎより、きづきさんでした。

 

スタッフ・入居者全員が薬物依存症者 

 DARCとは、薬物依存から解放され社会復帰するためのプログラムを行う施設です。スタッフ・入所者すべて薬物依存経験者です。全国各地に拠点がありますが、今回お越しいただいたのは栃木の中でも女性だけが共同で生活するところです。

 

NAミーティング…正直に話す、素直にみつめる練習

 薬物依存者と聞くと正直、おどろおどろしい印象や、自分とはかかわりのない世界だと思うかもしれません。しかし、わたしがプログラムの一環であるミーティングにお邪魔して取材したときに話合われていたテーマは「感情を引き受ける」でした。怖い人たちという印象は全く受けませんでした。むしろ様々な過去を抱えながらも、包み隠さずに正直に自分と見つめ合っている彼女らを見て、”純粋さ”まで感じました。DARCに入りたてはうまく話そうと誇張したり隠したりということはよくあることなんだそうです。そして人の話を聞くということも苦手な人が多いようです。正直に話すという練習を毎日していると、だんだんと気づかなかった自分の感情を取り戻したり、こころの整理をしたり、他人を受け入れたり、感謝が生まれたり、ということができるようになります。感情をコントロールすることは誰にとっても難しいことであり、彼女たちの言葉をストレートに受けてしまったわたしは取材もままならないほど泣いてしまいました。

 

「素直になる場」で話される、幼少期の過酷な経験

 話を聞いていてみなさんに共通しているのが幼少期の傷ついた経験でした。ゲストとして来てくださったきづきさんも衝撃的な幼少期を過ごしていました。生々しい話ではありましたが、リスナーさんにも現実を聞いてほしいと思い、きづきさんの生い立ちを赤裸々に追いながらラジオを進めました。初めてシンナーを吸ったのが中学生。親に不信感➡家に帰りたくない➡地元の姐さんたちの仲間に入りたい➡シンナーという流れがなぜかごく自然に聞こえました。薬物であれたばこであれ夜遊びであれ、子どもが安心して帰る場所=居場所がないということがいつの世代も主悪の根源であると思うからです。はじめは薬物がやりたくてやったわけではないという部分が印象的です。

 

 もう一つ印象に残ったのは、一生依存者であると思っているということです。施設に入ってプログラムを受けただけではだめなのです。一生背負って生きていくのです。「ありがとう」「ごめんなさい」「お願いします」の本当の意味を知って。(学生P:ふじくら)