崖っぷちさんから、助けっ人さんに! 引きこもり経験を生かす。

車いすで東照宮を観光。日光ならできるんです!

 

 今回のがけっぷちラジオでは、学生パーソナリティー山本、ゲストには日光市の認定NPO法人ウエーブの吉成勇一さんをお迎えしてお送りしました!

 ウエーブは「困ったときはお互いさま」をモットーに、訪問介護や障がい者福祉、会員制のふれあい事業をやっています。移送サービス事業は「病院に行きたくても遠くて通えない」「足が悪くて買い物に出かけられない」など生活に必要な移動が難しい人を支援しています。地域貢献事業として、旅行者で足が不自由な人の日光東照宮の観光手伝い。車いす介助や、鬼怒川の温泉旅館での身体障害者の入浴介助など、障害があっても他の人と同じように観光を満喫できるようにサポートすることも行なっています。急勾配や階段を上った先にある日光東照宮。健常者でも登るのにひと苦労ですね。ましてや足腰が弱ってる人は諦めてしまいます。観光地でこんなサポートは必要不可欠だと思いました。

 現在はコロナ禍で、さまざまな課題が出ています。「人対人」が基本の活動なので、いままでの方法では対応しきれないこともあります。「こういう時だからこそ、原点に立ち戻って地域のニーズを把握し、新しいことに対応できる形をとっていく必要がある」と吉成さん。またNPO法人の今後の課題も語ってくださいました。

「うちだけに限った話ではないですが、創設した人が歳を取ってきている。活動をどう続けていくかが問題。ウエーブの場合は訪問介護のヘルパーさんも高齢化して、新しいなり手も居ない」とのことでした。色々な業種で後継者問題がありますが、NPOでも例外ではないと新たに分かりました。

 

「引きこもることで、自分を守れた」…助けっ人さんの崖っぷち!?

 毎年秋に開催される「チャリティーウォーク」。宇都宮から中禅寺湖まで56.7キロを2日間かけて歩くイベントですが、吉成さんは走って1日で踏破! 東京マラソンも出て意外にハードなことしていますが、かつては7、8年引きこもりだったとのこと。

 引きこもりも「会社や学校には行かないが、外出自体はする」タイプもあれば、「家・自分の部屋から全く出ない」タイプもあるらしく、吉成さんは部屋から出ないタイプ。

「おじいさんのお葬式の時以外は、全く出られなかったですね」。その後、コメントおじさんの中野さんやVネットなど「崖っぷち救出団体」とつながりが生まれ、今のように生活するようになったそうです。

「引きこもることで自分を守れた。そのまま社会とのつながりを持っていたらもっと傷ついていたと思いますね。精神的なダメージがより大きくなって、回復が遅くなっていたかもしれない。だから早めに引きこもって自分を守れたからよかったと思うようにしている」と。

 引きこもりの状況では他人の介入も必要と言います。

「身内で解決しようとしてもムリ。引きこもり当事者は、自分の思っていることをうまく言葉にできない。親に伝えようとして、ちょっと間違うと虐待や、家庭内暴力にもなりかねないので、余計にやりにくくなってしまう。支援のサービスがあるなら活用したほうが間違いない」と自身の経験を語ってくださいました。(やまもと)