「地域で暮らしたい」を実現する。ヘルパーと共生する暮らし・・・CILとちぎ

 2/18のゲストは永田さん(自立生活センターとちぎ)でした。自らが車いすで生活するがけっぷち当事者でありながら、た助っ人さんとしても活動している永田さんにお話いただきました。

 

自分たちで運営するヘルパー事業所。ヘルパーとともに作る暮らし。

 自立生活センターとちぎ(CILとちぎ)は、障害があっても地域で自立して生活したい人を支えたり、「障害があっても地域で暮らせる」ことを伝えている団体です。

 普通の介護(ヘルパー)事業所と違うのは、障害者自身がヘルパー事業所を運営し、職員になってヘルパーを募集・雇用し、研修も行い、自分たち自身のヘルパーとして事業所から派遣してもらうということ。既存の福祉事業所とは全く違った運営形態だ。永田さんたちは重度身体障害者なので、24時間×336日分のヘルパーが必要。プライベートでは自宅に泊まり込みで介護人(ヘルパー)がいる。…というのが仕事と私生活だ。介護事業所は職員なので給料も出る。いわゆる福祉施設っていう感じではなく、自分たち助け=セルフヘルプの機能を持っている。

 

「地域で暮らしたい」というと、「なぜ?」って聞かれる・・・

 障害者が「地域で暮らしたい」と言うと「なぜですか?」と聞かれる。障害がない人なら聞かれないようなことですよね。障害者が地域で暮らすのはまだ特別なことのように考えられているからだ。「障害があっても皆さんと同じように地域で暮らすっていうのが、当たり前になって欲しい」と永田さん。

 このお話を聞いて気付かされた。確かに私がひとり暮らしを始めるとき、「なんで自分で生活するの?」などと聞かれることはなかった。障がいがあってもなくても「自分で生活したいから」以外の理由は要らないだろう。

 

物件探しのハードル。「気になる視点」に違いがある。

 永田さんは昨年、引越したそうだ。フツーの人でも家賃や好みなどで物件探しは大変。なのに車いすを使っているとフツーの人の検討事項に加えて、段差や廊下の幅も問題になる。インターネットで調べても、不動産屋さんに聞いても詳細な「段差の情報」は得られない。さらに、1日で見に行ける物件数も制限される。良さそうな所を絞って見に行っても玄関の段差で入れないこともあるという。

 様々な場所や場面で多様な視点を持つことが必要だと感じた。障がい者や何か問題を抱える人がいることを知り、その人たちに寄り添う視点が、これからの社会を良くしていくのではないだろうか。「障がい者が地域で暮らすこと」が当たり前になる日を願っている。(おぐま)