2/4のゲストは小澤勇治さん(FBうつのみや理事)でした。日本では年間620万トンが「食品ロス」で廃棄され、一方で約1860万人が貧困線以下の低所得で、なかには食べ物を十分に得られない人もいます。今回はそんな生活困窮者を支えている小澤さんにお聞きしました。
食べ物を渡し「困り事を一緒になんとかする」のが、うつのみや流FB
毎回がけっぷち事例で話しているように「病気や失業など、食べ物に事欠く人はたくさんいらっしゃいます」と小澤さん。そんな人にFBに来てもらい、お米やレトルト食品などをお渡し。またFBうつのみやでは単に食品を渡して終わりではなく「その人がどうして食べ物に困るようになったのか、今後どうすればいいか困窮から離脱できるか」を本人と一緒に考えます。「こんなFBは、全国的にも珍しいですよ」と小澤さん。
「全国の多くのFBでは施設を対象に活動してますが、ここでは個人向けの食品支援です。さらに、ひとりひとりの生活立て直しも考え、当事者にアドバイスをしていますよ」とコメント曽根兄さん。
私はこの取組みは全く知らず、今回お話を伺って初めて知りました。表面的な支援をするだけでなく「困っている人のお話を聞く」ことを大切にして「一歩踏み込んだ支援」をする、「生活を根元から立て直すことが大切なんだな」と考えさせられました。
障害でも病気でも健常でもないけど、困っている人の就職支援
続いて小澤さんに聞いたのは「ユニバーサル就労」。近年では、障害者の職場環境の整備や、企業の「障害者雇用の義務づけ」など、いろんな努力がされていますがこれは「障害者だけ」。
『フードバンク通信』でも書いているように現状は、様々な理由で障害があっても「障害者手帳」を取得できない人も多くいます。さらに、病気や失業で職を失い、働きたくても働けずにいる人もたくさんいる、と小澤さん。
ユニバーサル就労は、手帳がない障害者(=福祉サービスを受けられない人)や、病気だけど働かなければならない、介護退職で20年も仕事についていない自信がない50代の人…といった健常者でも障害者でもない“あいまいな(大変な)人”に仕事を提供していくことです。
例えば「生活保護を受給している人でも仕事ができるようにサポート」する、「働きたい意思はあるが長い間仕事につけずにいた人にアドバイス」をしたり、一方の「受入れ企業との協力関係の上で支える」ことが挙げられます。
「FBがユニバーサル就労に取り組むことで、制度の網からこぼれている人を受け止めるセーフティネットなりますね。そして、就労することで自分の生活の立て直しや、社会とつながることで人間性を取り戻すことにもなっていく、その助けになれればいいな」と語っていました。
この話を聞いて、「職に就けずにいる」といってもそこにはさまざまな背景があり、支える側は表面的だけじゃなく、背景も考慮して方法を考え、支援するのが大切なのだとわかりました。
まだまだ自分の知らない世界が広がっているので、1年間学生パーソナリティを務めるなかで学んでいきます!(山本)