笑顔で9月1日を。不登校に寄り添う「風の家」

 8月13日のみんながけっぷちラジオは特定非営利活動法人・風車 理事長の渡邉英子さんにお越しいただきました。

 

一日だけ不登校!?した体験。…ラジオ学生つむぎ

 

  中学1年生のころにクラスの男の子に机を蹴られたことがショックで1日学校を休んだことがありました。日常的に乱暴なことをされていたわけではありません。それでも体格のいい男の子に机を蹴られたことは強い恐怖で、翌日学校を休みました。

 すると・・・なんと、母親から欠席の理由を聞いた担任と養護教諭の先生が自宅まで家庭訪問! 「明日は学校に来られる?」 「学校で怖い思いをさせてしまってごめんなさいね」 と必死に話してくださいました。

 そのとき私は、「あぁ、不登校の生徒がでることってこんなにも先生を焦らせることなんだな」と思い、その翌日からは普段通りに登校するようになりました。そのときからふとしたきっかけで登校することが、あるいは教室に入ることが怖くなってしまう。しかもそれは誰にでも起こりうることだと思うようになりました。実は身近な困りごと、不登校問題と向き合う「風の家」の取り組みを聴いていきます。

 

 不登校者支援「風の家」の最初のアプローチは「親と家族」 

 

 みなさんは不登校の問題に向き合う団体、と聞いてどんな活動を思い浮かべるでしょうか。お休みしている間の学習支援?、不登校のきっかけを克服するためのカウンセリング?、進学に備えた情報提供?、学校をお休み中の本人のための手助けを思い浮かべる人が多いでしょうか。実は、風の家が真っ先にアプローチするのは「親や家族」だそうです。ここには子どもの幸せを願う親と、親に心配をかけたくない子どもの両方に手を差し伸べられる理由があるのです。子どもが不登校になってしまったとき、ご家族は子どもが負った心の傷を癒やしたい反面、不登校が続いたときの学習面や対人関係など将来への影響に悩みます。できれば学校へ戻ってほしい...という気持ちは不登校の生徒本人が感じ取ってプレッシャーになってしまうそうです。

 確かに私も、前述の「不登校なりかけ」のときに母親の心配と焦りを感じて罪悪感をものった気がします。そんな親子に手を差し伸べるのが風の家での親向け相談です。不登校の生徒を抱える親同士が知り合うことで孤独感や疎外感を減らして、「不登校でも大丈夫!」と心からの笑顔で子どもに言えたとき、家族みんなで前を向けるようになっていくそうです。

 

9/1どこにいてもいい、ご機嫌に過ごせるように。

 

 夏休みが明ける9月1日は子どもの自殺が最多になるといわれています。確かに学校は勉強だけでなく、たくさんの経験ができる特別な期間と場所ですが、元気に楽しく生きていることほど尊くはないはずです。9月1日はお家にいても、フリースクールにいても、教室にいても、保健室にいても、どこにいたっていい! 本人も家族もとにかく笑顔でいてください。みんながご機嫌に過ごせるように願っています!(学生パーソナリティつむぎ)