「地域を大きなおうちに」認知症になっても安心なまち

5月28日のみんながけっぷちラジオには、「オレンジサロン 石蔵カフェ」の金澤林子(かなざわしげこ)さんにお越しいただきました。

 

認知症カフェってなに? 

 厚生労働省により発表されているだけで2012年に464万人、2025年には700万人になると想定されている認知症患者。全国に広がる認知症カフェは、認知症の当事者の方の外出の機会として、また認知症の介護をする家族の方同士の情報交換、息抜きの場としての役割を果たしています。なかでも今回の「オレンジサロン」では認知症の当事者や家族だけでなく、地域の方のご来店も多数。

 

放っておけない!金澤さんのエネルギーはどこから?

 お話しする中で、金澤さんの認知症患者さんに対する優しさや寄り添う心に触れられたような気がしました。でもふと、「優しさ」を越えてくる「熱意」のようなエネルギーもあふれていることを感じました。

  「金澤さんがそこまで熱心に、認知症の問題に向き合って、明るくて心地のいいカフェを運営するモチベーションはどこから来るんですか?子どもの頃からのご性格でしょうか。」唐突で不躾な私の質問に、金澤さんは幼少期のお話をしてくださいました。「ポリオに感染して、足に障がいをもっていたけれど、父親がなんでもやらせるという教育方針だったのもあって、運動会だってスポーツだってなんだってやったわ。みんなと同じようにできなくて意地悪されることもあったけれど。そのときのこともあって、病気のせいで諦めるってことをしてほしくないの。」

 

地域を大きなお家に、お家を部屋に

 金澤さんが描き、オレンジサロンから広がっていく社会は地域が大きな大きなお家のように認知症の方もそのご家族も自由に出歩け、助けを求められるという安心が叶う社会。オレンジカフェでは認知症の方といらしたご家族が食事や相談をしている間、地域の方やスタッフの方が緩やかな見守りやお話をしていてくれます。

 認知症を恥ずべきことと考えて、近所の人に認知症患者が家にいることを隠して悩みを抱え込んでしまうことがある現在の日本ですが、地域全体が家族のように、オレンジサロンのように、そしてそれぞれのお家は親子・パートナー・兄弟などといままで重ねてきた思い出や愛情をじっくり、しっかり守るプライバシーのある空間としてのお部屋のようになれば認知症にかかわるがけっぷちに光が差してくるはずです!

 

 もう少し先ですが、7月16日のみんながけっぷちラジオは特別編でお送りする予定です! 学生パーソナリティーの3人が結集して、冒頭の「今日の○○」のコーナーを拡大版でお届けします。トークテーマは検討中です。リクエストも募集しますので、大学生のガールズ3人組に話してほしいテーマがありましたら、ぜひぜひお寄せください!