フードバンクの応援先①「ひまわり」県内最古参の精神障害者の作業所

 3月5日のゲストはNPO法人ひまわりの田代美希さん(理事長)でした。フードバンク宇都宮が応援している県内最初(設立は30年前!)の精神障害者の共同作業所。田代さんは人との出会いと笑顔でいることの大切さを感じさせてくださいます。

 

就労継続支援事業ってなんだ?

 田代さんが活動するひまわりは就労継続支援事業B型に分類され、精神障害がある利用者さんに特化して運営しています。そもそも、就労継続支援事業とは一般的な雇用・労働を困難とする障害者に就労と訓練の機会を提供する事業のことです。A型とB型に分類されて、A型では最低賃金が保障された上で雇用契約を結ぶもの(=労働)で、近年事業所数が増加傾向にあります。B型はA型より事業所数が多く、一般的に福祉的ケアが手厚く、A型に比べて挑戦のハードルは低いとされています。こちらでは最低賃金の保障がないため(=福祉)、各事業所の努力で工賃(時給)が定められます。就労継続支援事業そのものの課題として、地域によって事業所の数にばらつきがあるため、(しかたないことですが)地域格差があります。

 ひまわりでは自動車部品の組み立てや部品・建築資材・印刷物の袋入れなどの内職作業や藍染め・草木染めといった自主製品の製作を行っています。作業所を見学させていただいたところ、作業室の雰囲気は明るく、6~8人がけの作業台の奥に壁向きで左右をパーテーションで区切られた「集中エリア」がありました。これは障害の特性として「気が散ってしまいやすい」人に配慮した席だそうです。他にもひまわりには休憩室や防音設備のある相談室など、体調や気持ちの揺らぎに寄り添うための設備が多くありました。

 

パートのおばちゃんから理事長に!?

 いまは理事長兼施設長を務めている田代さんですが、ひまわりとの出合いはパートのおばちゃんとしてでした。田代さんの娘さんに失聴の可能性があったために当時通っていた手話の教室の先生から紹介を受けて、週4回のパートさんとして福祉の世界に飛び込みました。利用者に寄り添った工夫やシステムがたくさん詰まったひまわりの施設に感動していると、「支えてくれる人がいるから」という田代さんはいつも笑顔。まるでひまわりのようです。施設内にも「笑」をテーマにした書道やイラストが飾られています。明るいひまわりで就労への一歩、踏み出しませんか。(篠原紬)

●ひまわり:028-658-3299●●●