認知症カフェ・学習支援・子ども食堂・「なんでも相談」・・・いちごハートネット事業ー福祉施設が行う社会貢献・地域貢献

2月5日のラジオ、ゲストは、いちごハートネット事業(栃木県社会福祉法人による地域における公益的な取組推進協議会)の岩崎正日人さんでした。いちごハートネット事業は、栃木県内の社会福祉法人が連携して、地域にもっと貢献しようと始まった事業です。

 

「保育所に貧困の相談」とか。どんな相談もOK「おこまり福祉相談」

 

 県内には300以上の社会福祉法人がありますが、いちごハートネット事業は118法人が加盟しています。加盟法人には272の福祉事業所があり、その全てで「おこまり福祉相談」をしています。相談員はその施設の職員。

 例えば、保育所の窓口に貧困の相談が寄せられるなど、相談員には専門外の相談がくることもあります。そんな時「専門外だから」というのではなく、加盟する福祉施設のネットワークを活かして相談に乗ります。

 ちなみに相談件数はこれまでに852件。相談内容は実に多岐にわたっています。中でも「各種制度について知らない、わからない」というものが多いといいます。

 自治体の広報紙等には色々な各種制度が載っていますが、一般の人が読んでもよくわからないこともしばしば。制度は細かく規則が決められているため、制度の対象に少しでも当てはまらなければ利用できない。条件のわずかな差で制度の網の目から漏れる人も多くいます。そんな人にも「制度の利用条件から漏れても、私の法人では制度以外にも、このような方法でフォローしよう」という風にして見守り続けることが大事、と岩崎さん。また、相談の窓口で終わるのではなく、回数を重ねてまた、逆に事業所から連絡を取り、その後の様子を聞いて、最終的には疑問や問題が解決、終結に向かうこのが望ましいとのこと。これまでに240~250件ほどが終結したそうです。

 県内で272カ所ですから、近所にもあると思いますと岩崎さん。

 相談窓口の目印は、赤いいちごののぼり旗が施設の玄関にあるとのこと。HPでも内容が見られ、近くの相談窓口を検索できます。でも「HPまでたどり着かない人はたくさんいる」と岩崎さん。「もっと広報に力を入れたい」と言います。

 

認知症カフェ・施設貸出・学習支援・介護予防体操…「安心支援事業」

 

 事業では安心支援事業も行っています。例えば認知症カフェ、市民に向けたセミナーでの施設貸し出し、学習支援事業、介護予防体操等挙げるときりがありません。本当に幅広いですがこれらを県内各地の社会福祉法人で行っています。なぜ社会福祉法人がこのようなことをしているのかは、2年前に変わった法律が関係しているそうです。公益的な取組を自分の本体事業の他にする義務が明文化されたとのこと。罰則はないみたいですが、いいことやってる所を褒めたいですね。

 地域ニーズに合わせたものもあります。地域の行事でやらなくなった盆踊りを福祉施設で行うなんてことも。「地域の皆さんにもできる範囲の中で色々な地域の事業に参画して頂きたい」と岩崎さん。住みやすい地域づくりは自分たちで作らないとね!

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 岩崎さんありがとうございました。イマドキの福祉施設は私たちの考えているよりもずっと幅広い取り組みがなされているのだと知りました。そして、団体も個人もネットワークがあることで連携でき、できることが広がるのだなと感じました。(小林メイ)