人と人とをつなぐ。「子どもの可能性を信じる」スクールソーシャルワーカー土屋さん

 12/11のみんながけっぷちラジオ、ゲストは日本社会事業大学准教授の土屋佳子さんでした。土屋さんは長年スクールソーシャルワーカーとして栃木をはじめさまざまな地域で活動し、現在はスーパーバイザーとして養成に力を入れています。

 

子どもに問題があるのではなく、社会の仕組みに問題がある

 スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、学校という場で子どもの生活課題解決に取り組む、福祉の専門職です。全国で3000~4000人活動しており、栃木県内では20名います。社会が複雑化する現在、ソーシャルワークは「個人」に問題があると考えるのではなく、「社会のしくみ」に問題があると考えます。虐待や貧困、非行、外国籍、発達障害、ひとり親…さまざまな環境が組み合わさって、課題として浮き出てくるのだそうです。子どもの環境に目をつけ、はたらきかけるアクションがソーシャルワークです。

 適切に環境へはたらきかければ、課題解決はその人自身ができるはず。「今は力が落ちているかもしれないけど、その人のいい面を見て可能性を信じる。「強み」を引き出しエンパワーメントすることが重要」とのことです。

 

カウンセラーそしてソーシャルワーカーへ。土屋さんの歩み

 土屋さんは不登校の子供の家庭教師の経験をきっかけに、子どもに関わる仕事を志すようになりました。そこでまず、カウンセリングの勉強をし、中学校で相談員をしていました。しかし、カウンセリングだけでは解決できない問題に直面する日々。そんな中、ある日社会福祉士の大学教員に出会い「ソーシャルワーク」を学びました。

 では、カウンセラーとソーシャルワーカーの違いは何なんでしょう?土屋さんにお聞きしました。カウンセラーは子どもの声を「待ち」、「心に寄り添う」役割。それに対してソーシャルワーカーは「外に出かけて走り回り」、支援に必要なサービスや人を「つなぐ」役割、とのことです。

 

 

あなたもソーシャルワーカーに?!?

 実は、ソーシャルワークという手法は専門家だけが行えるのではなく、誰もができるものなのだそうです!いろんなことをやっているため、一言で言い表すことが難しいのですが「社会の仕組みを変える」という視点は同じです。1人が何となく困っていることは、もしかしたら他の人にも当てはまるかもしれません。そういった想像力を働かせ、アクションを起こす人が増えれば、きっと社会が少しづつ変わる。土屋さんは「ソーシャルワークを広めたい。たくさんの人に知ってほしい」とおっしゃっていました。

 

「将来を作っていく子供に投資する」

 「子どものことをないがしろにしない社会になればいいな。」と土屋さん。人が幸せになるためのお手伝いをできたら、との思いで活動しているとおっしゃっていました。

 

土屋さん、ありがとうございました!次回のラジオもお楽しみに。(みやさか)