9/25のみんながけっぷちラジオ、ゲストは宇都宮大学 国際学部の田巻教授でした。
手と手を取り合い、栃木県内の外国の子ども支援
外国籍の子どもへ、支援の手を差し伸べている「HANDs プロジェクト」は、2004年に活動開始し、10年近く経ちました。学生や小中学校の教員や、地域活動している団体、教育委員会などさまざまな人と手を取り合って活動しています。
増える外国人、抱える課題
外国人は着実に増えてきているのこと。平成29年度の日本にいる在留外国人数は256万人。栃木県内には南米系特にペルー人が多いそうです!「出稼ぎ」という言葉は南米でも通じるらしく、外国との距離が身近に感じられ驚きました!
外国籍の子どもにはさまざまな課題が浮き彫りになってきています。言葉の壁、友達ができない、いじめ、親とのコミュニケーションがうまくいかない・・・。主に母語を話す親と、幼少期から日本で暮らす子どもの間には、価値観の違いも生まれうる。親子間で相談も思うようにできていないかもしれません。田巻先生は「家庭内や学校、地域のどこかひとつでも居場所があることが大切」と語っていました。
宇大生も関わる!外国人生徒への高校進学支援
1番の課題は「高校進学」。日本人は99%近くが高校進学していますが、日本在留外国人はそうはいきません。たとえば、フィリピン人は5~6割にとどまるようです…。中卒だと、安定した職に就けるとは限りません。
HANDsプロジェクトで一番力を入れてきたのは「高校進学支援」。小中学校へ宇都宮大学の学生が行き、外国人生徒に対して学習支援をしています。「自分が小中学生の時に苦労した」という、外国籍の学生もボランティアに関わっているそうです!
また、親が日本の高校制度について知らないことが多いため、多言語(8言語!)での情報提供ガイダンスを行うことも。人生の大きな分岐点となる高校進学。情報を分かりやすくしたり、小さな疑問にも答えたりすることで、外国人が感じている高校進学へのハードルを下げられると思いました!
支援・居場所で、子どもの人生が決まる
最近出会った、とある日系ブラジル人。彼は10歳で日本へ来ました。日本語は全く分かりません。小学校は何とか過ごしてきたものの、中学校でいじめ、そして勉強についていけず不登校に。親との関係もあまり良くなく、学校にも家にも居場所がない状態でした。そして非行へ・・・。現在は2年半も入国管理局の収容所にいるそうです。
「不登校になってから、他の居場所で学ぶ機会があれば」と田巻先生。「周りに、いろんな学びの場(定時制高校やフリースクールなど)へつなげてくれる人がいたのなら、彼の人生は大きく変わっていたのではないか。」
コメントおじさんは、外国人児童のプレスクールを教えてくれました。小学校に入る前の数か月間、みっちり日本語を教わり、授業への準備をするのだそうです。子どもも自信を持って小学校へ行けるし、教員も戸惑いが少なくなりますね!「こういった初期の支援の差で、外国人生徒がグローバル人材になるか、厳しい状況に置かれてしまうか決まる」とのこと。
「やり直しのきく社会」へ
いろんなつまづきは誰にでもあるもの。学校や就職などへ”うまく乗ってこられなかった”人も、やり直しができるようになってほしい。やり直しを認められる社会になればいいと語っていました。
歩むペースを認め合えれば、諦めない人生を送ることができると思いました!
問題に1歩踏み込む「勇気」を大切にしている田巻先生。たくさんの気づきを得られました!ありがとうございました。
来週のゲストは日本労働者協働組合の俵木さんです。おたのしみに~(みやさか)