那須水害20年。「福祉避難所どうするシンポ」をやってきました。

 1995年8/29に那須水害がありました。20年前、全国で初めて災害ボランティアセンターができ、5500人が1か月にわたって活動しました。その後写真奥の栗田さんが『水害ボランティアセンターの作り方』を書いて、この方式が全国に普及して災害ボランティアセンターが増えたのです。

 

ガイドラインもない、予算措置のみの福祉避難所

「課題は福祉避難所」というのは手前の浦野さん。「法的にあいまい、ほぼ予算措置だけ」、ガイドラインもないのが実態。

 実際に西日本水害で1か月以上自宅に戻れない高齢者がいる家はどうなっているんでしょう? デイサービス水没、ヘルパーも来ない、訪問看護もない、福祉作業所もない・・・という災害が起きています。那須では社協が呼びかけて福祉施設と協議を始めたところです。シンポジウムはその危機感を高めていただくため、リアルな避難所・要支援者の状況を聞きました。

 

「突然利用者が125%になり、職員の75%で受入れる」状態

 矢野もパネラーとして参加しましたが、重要なのはシュミレーションと述べてきました。

 簡単に言うと施設が被災してなくても「施設利用者が125%増え、職員の75%しか出勤できない状況をどうするか」ということです。那須町に10施設があるとして、その半分が被災(水没)と想定すると5施設で200%の利用者増。これでは対応できないから、4分の1を受け入れるとして125%増、残り75%を町外3地区に25%ずつ受け入れてもらう。しかし職員も被災するので施設のマンパワーが75%減る。これが想定の基準になります。

 さらに「現時点では福祉サービスを利用していないが、利用手前な人(予備軍)」が福祉避難所利用者なので、この人数が上乗せになります。また透析など在宅医療関係もどうするのか・・・というのが想定の全体で、ここから課題を出し解決策を考えるのが重要かと思いました。

 いつも人手不足の福祉業界。災害の現場にいく余裕もない。なのに〝高齢社会の災害〟。課題はひとつづつ乗り越えましょう。(やの)