子どもに学校以外の選択肢を!~経験すべてを生かして不登校支援~

 

 

 

 

 6/12のラジオゲストは、小山フリースクール「おるたの家」代表の稲葉祐一朗さんでした。

 

●“おるた“って何?

 由来は、オルタナティブ(代替・代わり)。さまざまな理由で学校に通わない子どもたちが、安心して過ごせる居場所です。見た目は民家そのもので、すごく落ちつけそう。子どもたちはゲームや散歩など好きなことをして過ごし、来る時間も自由とのこと。

 子どもの「学校以外の居場所」です。準備段階からボランティアとミーティングをしてきました。地元学生や東京からも知人・大学生が参加してフリースクールの勉強や見学会、「どうしていきたいか?」という話し合いを持ったたそうです。一から共に作り上げることで様々な気づきもあり、なにより「楽しかった」とのこと。

 

●人生の転機!フォルケホイスコーレ

 設立のきっかけは「偶然のつながり」。5年前にデンマークへ行った稲葉さん。「何か目的があって行ったのではなく“何か“をしに行った」。そこで、フォルケホイスコーレに出会います。ここは大人が通う学校です。国内に68か所あり、多くある&金があまりかからない場所。学費・寮・3食付きセットで50万円ほど。日本ではまだまだ考えられないことですね‼

 

●民衆の学校、農民がつくってきた歴史。

 19世紀の大学は大都市の豊かな人向けでした。そこで「学びはすべての人が受けられるべき」と声を上げたのが農村の市民たちでした。どんどん声は広がり、今はなんと国が75%補助金を出しているそうです。デンマークでは市民から何かができる文化が強いそうです。フォルケホイスコーレには教科書はなく対話型の授業が多くてみんな頭で考えて発言しないと授業に参加できないんです。

「こんなサイコー!な学校を日本にも作りたい」

 そう思った稲葉さんは、2015年に「フリースクール全国ネットワーク」が行うスタッフ養成講座へ参加し、2016年には「おるたの家」を設立しました。行動力は計り知れませんね。

 

●「自分はフリースクールをやるために生まれた」と稲葉さん

「大人って昔子どもだった。なんで子どもの気持ちがわからなくなってしまうんだ? 自分は絶対忘れないぞ」。この気持ちがフリースクールへ来ている子どもに「それ、わかる~」と共感できるミソなんだと思いました。

 子どもの「ぎゅうって固く握っている手のひら」を開こうとしてもダメ。フリースクールでのびのびやっているうちに、勝手に開いてくれる。開いてきたら未来のことも考えられる。「勉強しよう」と自分で動機を持てれば、どんどん頭に入ってくる。

 コメントおじさん中野さんは、「こういう、子供の気持ちを尊重できる人がフリースクールやってほしいですね。支援者の養成も重要になってくるなぁ。また「学校=勉強」が絡みついているため、不登校になる子ども多い。切り離すことができたなら子どもたちは楽になる」とコメントしていました。

 

●不登校の子供を取り巻く課題・・・課題だらけ

 偏見がすごい。「不登校になったら終わりだ」と本人も親も思い込まされているそうです。今の学校は「学校へ来させることが使命になっている」気がしますが、「学校へ来られなくても大丈夫」と言ってあげる存在が必要なのだと思いました。13万人も不登校であるなかで“学校“が合っていない人がいることは明確です。学校以外にふっと気を抜ける場所や、学び直しがきく土台がこれから求められているようです。

 

「学校へ行けないことがおかしいわけではない」

 最後に、リスナーへ伝えたいことを聞きました。

「学校へ行けないことがおかしいわけではない」と稲葉さん。行かなければ家が唯一の場所になりがちで、フリースクールへ行かせたいけれど、行かせられない親もいるかもしれない。しかし“こうしなけりゃいけない”はない。本人を尊重すること。信頼していれば自分で何か決断する時が来る。信頼して寄り添っていく」とのことでした。

 内容盛りだくさんでした。稲葉さんと話たい人は「おるたの家」へご連絡を。フリースクールについてはもちろん、フォルケホイスコーレについてもPR大使(自称)だそうなので、気になる方はぜひ😊 (みやさか)

 

 

■(ネット検索しました)

■留学もできる…フォルケホイスコーレとは

 Folkehø jskole(フォルケホイスコーレ)とは、北欧全土に広がる独特の成人教育機関で、通常の公教育から独立し影響を受けない私立学校です。日本の大学主催の「エクステンションセンター」や自治体や民間の「カルチャーセンター」「市民講座」が、寄宿制の学校になったようなもの。北欧の歴史と文化を背景に生まれ、しっかりとした教育理念に裏打ちされ、北欧の教育文化としてしっかり根付き、様々な影響力をもっています。2015年現在、フィンランド約90校、スウェーデン151校、ノルウェー78校、デンマーク70校があります。

 フォルケホイスコーレはデンマークの教育システムのなかでは、「成人教育」のなかに位置づけられていますが、「学校を超えた学校」と指摘する人もいます。

フォルケホイスコーレの特徴

〇入学資格/原則として17歳半以上であること

〇入学試験/ありません。在学中も「試験」と名のつくものは基本的にはありません。外国人の場合、学校によっては比較的高いレベルの英語力もしくは現地語の能力が求められます。

〇成績表/ありません。

〇修了証・卒業証書/原則なし。資格もとれません。

〇寄宿生活/滞在中は他の生徒と寝起きを共にし、教師も同じ敷地内に住んでいることが多い。

〇学費/授業料、寄宿料、食費(1日3食)、その他を含めて1か月10万円~15万円が目安(2015年6月現在)

〇科目/人文科学系、芸術・デザイン、体育スポーツを中心に、さまざまなことを学べます。

〇学習期間/原則、最大10か月(12週、16週、20週、24週等のコース。国・学校によって異なる。

〇留学も可能です。