認知症の人が「自分自身の認知症への偏見」を変える場

認知症支援Ⅱー当事者の居場所づくりー

 

 5月22日のゲストは、県北認知症支援のパイロット(水先案内人)の飯島さんでした。

 

居場所からの気づきが生き方を変える❣ 

 飯島さんは認知症支援の中でも「当事者の居場所づくり」をしています。地元・西那須野でやっているのは「オレンジドアにしなすの」。当事者の「あったらいいな」の声を聞き、当事者だけが集まってお話しできる場。「ドアというより“入り口”かな」と飯島さん。入り口で当事者の気持ちが変わるそうです。

 普通は、自分が認知症になると「自分自身が持っている認知症への偏見」で、「こうなったらおしまいだ」と落ち込んでいることも多いそうです。たけど、ドア開けてみたら「認知症でもこんなに楽しく生きている人もいるんだな」と気づいたりします。

 そんなふうに、生き方も変わってくるそうです。そして、当事者がやりたいこと、できることができる場も作り、入口の先を目指して日々活動しています。

 

不便だけど、不幸じゃない

 「認知症になって『自分はダメだ』と思ったら、話せなくなるし、歩けなくなってしまう。身の周りのことが相当影響しますね。認知症は環境の病とも言われています。認知症の自分自身だけでなく、身近な人の対応(環境)で深刻になったり元気になったりする。だから、いきいきとオレンジドアに来てくれて自分の言葉でお話してくれて、またいきいきとお家に帰ってくれることがとっても大切」といいます。

 認知症支援に関わってきた中で「直せないけど、食い止めることはできる」と実感したそうです。そのためには「地域のでの役割と居場所が大切」と飯島さん。

 また、認知症本人で、スマホやタブレットを使いこなし自分自身をの行動をコントロールしている人や、認知症になっても仕事をしている人もいます。そんな人は飯島さんに「不便だけど不幸じゃないよ」と話してくれるそうです。

 

今度は自分の番が来たんだ!~ボランティアのちから~

 その人は20年以上老人ホームでボランティアをしていたそうです。ある日、病院に行って「アルツハイマー型認知症です」と言われました。その時に「あ、今度は自分の番がきたんだと前向きに捉えられたそうです。ボランティアで色んな人と関わっていたからこそ、イメージがついたり、学び、気づき、があって自然な受け止め方ができたのかな、と飯島さん。その方は一人暮らしだから大変なんだけれども、ボランティアしていたことで、周りに支えてくれる人がいて生活ができているそうです。 

 最後に「認知症はみんななります。認知症の理解が進んで安心して散歩できるような街は子どもから大人、生きにくさを感じている人まで安心して暮らせる街になるのではないかな」と話していました。

  認知症を人ごとではなく、きちんと理解してボランティアなどを通して携わっていくことで自分が認知症になったと知っても生きやすくなるのかなと思いました。

 次回は、森の扉の野原さんです!お楽しみに~!!(さとうあやか)