苦しみを他人と比べてしまうのは自分も相手も心が痛む―福島・避難者支援の今

3/27はVネット会員・早川さんがゲスト。東日本大震災から今月で丸7年、早川さんは形を変えながら継続して避難者支援を行っています。

 栃木で今やっているのは「福島から避難してきた人」の支援。ラジオでは、特に「自主避難」の人が抱える問題について聞きました

 悲しかったのは、「自主避難した人と地元に残った人の溝が生まれている」ことや、「シングルマザーの避難生活が大変」なことでした。自主避難の人は故郷に戻った時、「あの人は故郷を捨てた」と思われたりする、心の分断が起きています。自主避難者は「子どもへ放射能の影響が心配…」、一方で地元に残った人には「本当は逃げたかったけれど、行けない事情があり無理だった」など、それぞれの理由があるんです。みんな辛い思いをしたからこそ、やりきれない思いをどこかにぶつけたくなるのかもしれません。苦しみを人と比べてしまうのは、自分も相手も心が痛みます…と早川さん。

 コメントオジサンの矢野さんは県外の例を挙げ「母子避難は離婚してしまうケースも多い」と言います。自主避難なので家計も苦しく生活が窮迫し、他に子どもの不登校・引きこもり、などもある。子どもに何かが起きると「あの時の判断は間違っていたのか」と自分を責める母。前を向いて進めないお母さんたちが多いと矢野さんは言います。ポイントは「寄り添うこと」だそうです。

 『笑うこと』を大切にしています!家庭訪問をしてお話を聞いたり、悩み相談を受けたりしています、と早川さん。

(避難者の方々が)全然関係のないわたしたちに話すことで、気持ちの整理ができる」といいます。身近な人も悩んでいるので相談しづらいなかで、見知らぬ人でも寄り添って話を聞いてくれるという存在は助かると思いました。

 『クラフトバック作り』もみんなでやっています。作品は販売します。仕事があることで「自分も世の中のためになっているな」って気持ちが生まれるとのこと。手仕事はお喋りできるし、と早川さん。

 最後に「原発再稼働が進められているなか、震災のこと・ボランティアの活動を忘れず、後世に受け継いでいくことが大切」とおっしゃっていました。

 次回のゲストは県北フードバンクの藤田さんです。お楽しみに!

(みやさか)