大切なのは”相談すれば何とかなる経験”

 遅ればせながら、先週のラジオの報告をします。ゲストは「だいじょうぶ」畠山さん。だいじょうぶは、虐待防止の活動をしている団体で日光市とともに相談窓口を運営しています。今回は、そうした相談・家庭の支援の現場から見える貧困問題を教えていただきました。

 まず、虐待やネグレクトと「法律的に定義」されても、愛情のなさから起こるものだけではないようです。

 例えば、近所の人からの「泣き声通報」で訪問したお宅。

 訪問すると、母子家庭で最近赤ちゃんを産んだとのこと。しかし、赤ちゃんを置いてパートにも出られないので収入がない。幼稚園の年中と年長の2人は、パートができていたころまでは保育所に通わせられたが、収入がないため自宅保育園をやめさせて、自宅で見ていたとのこと。今までは聞こえなかった兄弟げんかの声やそれを注意する声、赤ちゃんの泣き声が、近所の人たちに聞こえ「通報」につながったようです。 

 だいじょうぶは、その家庭のお子さんを預かって、お母さんがきちんと生活や仕事ができるよになるまでの応援をしたそうです。

 大切なのは、お母さんにも寄り添いサポートすることです。 母子家庭だったり、困窮していると有料のサービスが受けられません。時間もお金も地域との関係性もない中での子育ては想像を絶するほど厳しいものです。

 畠山さんは、活動を通して「お母さんや子どもに、相談してくれることで何とかなる。そういった経験を知ってほしい」と言っていました。「相談すれば状況が変わる体験」はおそらくその人の生きる糧になるんだろうなと思います。

今は、民間の団体である「だじょうぶ」がそうした相談機能を担っていますが、いずれは地域が”何とかなる経験”ができる場所になれるといいなと思いました。(ちば)