「貧困は見えない、だから動かなければ」~地域に根ざす人々が動く重要性~

 昨日のラジオのゲストは鹿沼/幸町で制服リサイクルバンクを始めた自治会長の川田さんでした。活動のきっかけは「中学校の制服を譲ってくれる人がいませんか」という母子家庭のお母さんからのSOS。

 母子家庭の貧困率は50.9%。つまり2軒に1軒は困窮状態なのです。そして、困窮している母子家庭(非正規雇用)の給与収入は平均で10.4万円/月。扶養手当・児童不要手当を入れても16万円です。こんな家庭が母子家庭の40%にもなっています。家族数は平均3.42人です。

 いっぽうで、制服・体操着・カバンなど一式揃えると約12万円。少ない家計からはかなりの出費です。

  また、自治会(PTA)や育成会に入っていれば、お母さん同士の情報の輪に入り「制服おさがり」をもらえたりしますが、母子家庭のお母さんは忙しくて当番制の役をする時間がなく、そうした輪に入れません。「どんどん孤立してしまう」 と川田さん。

 制服リサイクルバンクはこうしたお母さんと子どもを、地域の訳知りのオジサン・オバサンたちが助けようよという趣旨で始まってます。

「貧困は見えませんよ。声もあげません。でも確実に居て、とても多いです。制服リサイクルバンクがあることでそうしたお母さん子どもたちとつながれるし、役に立てます。来てくれたらとても嬉しいですね」

 川田さんは「やれば誰でもできる。やらないと失敗もない」といいます。ノウハウも徐々にひろがって、鹿沼市内の別の中学校の自治会にも教えています。地域の訳知りのオジサン・オバサンの出番ですよ。(ちーば)