先週、先々週はDARC(ダルク)の方をゲストにお招きしました。ダDARCは薬物依存から回復プログラムをやっている団体です。驚くことに、そこで働いているスタッフもみんな薬物経験者です。ピア(仲間)カウンセリングというのがありますが、仲間だから分かち合える応援がある、というのが特徴なのです。
依存症は治らない”病気”と言われてます。DARCで働くことも、依存症から継続的に離れる手段です。そして「継続して離れている姿」が、後から入所した人たちの希望にもなるそうです。今回のゲストは依存症という病を抱えている”崖っぷちさん”であり、多くの仲間を支えている”たすけっとさん”でした。
プログラムは男性と女性で異なります。また、はじめてしまった背景が異なるため“卒業”できる条件や目標も人それぞれ。女性DARCでは、薬物を始めてしまった背景に様々な困難を抱えている人が多い印象でした。
女性DARCからお越しいただいた蓮(れん)さんもその1人。家族からの暴力や、信頼していた人からの裏切りで使用に至ってしまいました。薬物を使うと、つらかった「心の痛みを感じなくする」ことができるのです。蓮さんの場合は、使用し始めたのが高校生ぐらいの年。しかし、中にはもっと若くから使用していたというケースもあるようです。問題は使用した年齢が若ければ若いほど、使用した時点で精神の発達が止まること。
プログラムの中には、互いに生活をする中で生じる揉め事も、当事者がしっかり真正面から喧嘩をして仲直りをするなどのコミュニケーションを図り、人間関係を構築することも含まれています。そしてある期間、薬物から離れると薬物で気づかないようにしていた心の痛みや身体の健康が分かるようになるそうです。
お招きした秋葉さん・蓮さん2人の意見で共通していたのは、世間の薬物依存や使用への「報道のされ方」や「理解のされ方」に疑問を持っていること。「薬物の使用ばかりがとりざたされているが、なぜ使用に至るのか、そして依存症という病気との離れ方、その原因や対策を考えなければ状況は変わらない」と言っていました。
DARCを卒業した人も、自分の使用経験を話し、負の経験を思い出すというNAミーティングに日々参加しているようです。決して治らない病と闘っています。
私もメディアの影響で偏った見方をしていましたが、今回NAミーティングに参加したり、お話を聞いたことで問題の深刻さや当事者のつらさを見ることができました。このラジオに関わって下さった皆さんにこの問題性が伝わっているといいなと思います。(ちーば)
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