フェアトレード製品のあるお店を訪ねて⑪-フェアトレード&エコロジー チャルカ

 豊かな自然の懐にある益子の街。そのメインストリート城内坂の日下田藍染工房から南に一山越えると美しい里山が現れる。なだらかな山々はジュラ紀の地層からなり、縄文時代以来の遺跡がねむる歴史の里でもある。そこに建つ築120年の古民家に手を入れ、5年前にこの工房と店を始めた。

 チャルカとは糸車のことで、ガンジーの思想のシンボルでもある。ガンジーは経済・効率優先の近代機械文明を、貧困と隷属と自然破壊を生み出し、人類を破滅に導くと批判した。また村々が自立するために暮らしに必要なものは自らの手仕事によって生みだしなさい、競争ではなく協力を、と説いた。

 工房の主はガンジーに習い、畑を借りてワタを育て、綿繰機で種をとり、糸車で紡ぎ、高機(たかはた)で布を織っている。電気も石油もいらない。様々な民族が数千年来続けてきた基本的な営み、と彼女はいう。

 教職に在った際、長年かかわった青少年赤十字活動の中でフェアトレードに出会ったという。ガンジーの「チャルカの思想」と赤十字の「人道」が彼女のフェアトレードの原点になっている。

 ローカルなチャルカの思想とグローバルなフェアトレードは物理的な距離の問題ではなく、顔の見える、搾取もマネーゲームも介在しない関係ととらえれば矛盾しない。

 フェアトレードの食品(カレー粉、香辛料、ドライフルーツ等)、衣料品(オーガニックコットンのソックス、少数民族の手紡ぎ手織り綿ワンピース)、石けんなどが買える。またコミュニティトレードとして、障害者が作る藍染手拭いも扱っている。(吉田ユリノ/まちなか・せかいネット=海外協力NGOセンター)

 

●益子町山本1222-1

●Tel:090-7218-7199 028-656-3427

●Open:土・日曜10-17時

 
■フェアトレードとは■
・国際産直
・適正な価格で取引をすることで途上国の 生産者の自立を応援
・地球環境と生態系を守る農法で生産
・お買い物が海外協力になるしくみ
  

※本会機関紙『月刊・ボラ情報』より転載