タイトル:「配る」だけじゃない!「寄り添う」フードバンク

●食べ物の「おすそ分け」があたりまえ。フードバンクもすんなりと実施。

 

7月4日のみんながけっぷちラジオ。今回は高根沢町社会福祉協議会・フードバンクたかねざわの福田隆史(ふくだ・たかし)さんと下山貴彦(しもやま・たかひこ)さんにお話を伺った。同じ「フードバンク事業」でもフードバンクうつのみやとは性質が異なっている。取り組みは2017年から始まった。

「以前から年に数回ほど町の農家さんからお米をもらっていて、生活に困った方々に配布していました」と福田さん。県内有数の米どころなので、市場にも出せず自家消費もできずに余ってしまった食べ物はご近所に配る。しかも農家さんどうしがお互いにという例が多い。そんな昔からの「おすそわけ」の習慣が残るのでフードバンクたかねざわの食品寄贈の活動はわりとすんなり受け入れられているとも話す。「個人の方からが約7割、団体3割」とのこと。

 

●町内13か所。「フードポスト」は食品寄贈の必須アイテム!

 

そんな食品寄贈活動に一役買っているのはフードポスト(写真参照)。町内の図書館や町役場、店舗13か所に設置し、そこに食品を入れるだけ。

「持ってきた食品の数が少なかったりすると、対面では気が引けますよね」と下山さん。

なるほど。確かにフードポストなら対面での受け渡しもなく、1点からでも気軽に寄贈できる。

 

●フードバンクは「寄り添い」のきっかけ

そんなフードバンクたかねざわは、ただ食品を配布するだけでなく関係機関との連携が強固な点が大きな強みだ。支援エピソードについては下山さんが紹介。

O.Sさんは、当初「フードバンクの食品を利用したい」と来所したが、精神的に不安定になる時もあったため、職掌を超えて本人が安心して話せる職員が定期的に聞き取りを行い、必要に応じて担当間で情報を共有したという。

「現在も定期的にフードバンクを利用しに来所されますが、話を聞くと家庭内の問題が山積していました。時間がかかっても一緒に問題を解決し、常に寄り添う姿勢を大切にしています」と話す。

 

話を聞いていく中で、組織が大きいところは柔軟な対応は難しくなりがちだが、フードバンクを通して仕事の垣根を越えて利用者を「みんなで支える・みんなで見守る」ことの大切さを実感した番組回であった。