4/4 企業人に「明日食べるものがない」を知ってほしい 浅野 光太郎さん

4/4 企業人に「明日食べるものがない」を知ってほしい —— 浅野 光太郎さん

  

 4/4のみんながけっぷちラジオでは、NPO団体フードバンクうつのみやでボランティアをしている浅野 光太郎さん(74)をゲストに迎えた。

  浅野さんは以前勤めていた会社の人脈を使って、フードバンクへの寄付やボランティア募集の声かけを主にしている。

 

 

 定年退職で会社に行かなくなり「生きがい」がなくなった

 

 浅野さんは71歳まで建設会社で営業の仕事にしていた。フードバンクには半年前から来ている。定年退職した浅野さんは、会社で働く代わりにやることはないかと探していた。キャンプやドライブなどの趣味はあった。しかし、働く合間にする息抜きだからこそ楽しめていた。「何かが足りない」と日々感じていた。そして自分にやれることはないかと考えてボランティアを探して、フードバンクのことを知った。

 

 

「3週間を400円で生きなければいけない」生活困窮者との出会い

 

 ボランティアの説明会の前日、浅野さんはフードバンクの事務所へ下見に訪れていた。その日は休みだったが、食べ物を求めに来た人にたまたま出会う。「フードバンクは今日休みなのか」と残念そうにしている人に、なぜ食べ物が必要なのか事情を聞いた。すると生活保護を受けたものの、現金支給が行われるのは三週間後。それまでは現在持っている400円でなんとか生き伸びなくてはいけないという話をされ、浅野さんは衝撃を受けた。今まで生きてきて、食べ物に困っている人に出会ったことがなかったからだ。フードバンクを必要とする人に関わったことから、フードバンクのことを伝えたいと感じ、ボランティアになると決めた。

 

 

ボランティアは「自分のためにやりたい」でできる

 

 「今までボランティアのような、人のためになることをしたことがなかった」と浅野さんは言う。浅野さんのボランティアの動機は「生きがいを探すこと」だった。私(森田)は、ボランティアとは「困っている人のために取り組むこと」かと感じていて、ハードルが高いなと思っていた。しかし、人のためよりも「自分のために」とやっている人が多いことに気づいた。

 そういえば私の周りにも、自分のためにボランティアをしたと話す人は多い。「就活のため」「話のネタ」「友人探し」「暇つぶし」など、多少不純な動機からでも楽しく続けていると聞く。「ボランティアは人のためにと考えて取り組まなければいけない」とは私の思い込みなのかもと思った。

 フードバンクでは毎週土曜日にボランティアの説明会を行なっている。ぜひ不純な動機で事務所に訪れてみてはどうだろうか。(森田)