3/14 学校以外の居場所を選んでもいい。新たな選択肢に迫る

今回は、佐野市でフリースクール「ここあっと」を運営している菅 圭(すが けい)さんに話を伺った。菅さんは、不登校や学校になじめない子どもたちとその親の居場所になれればという思いで、半年前にフリースクールを立ち上げた。

ここあっとは短期間でフリースクールの運営に成功ができた。「すぐに運営できるようになったのは、先駆者であるフリースクールの方々がノウハウを教えてくれたおかげです」と菅さんは語る。

 

「不登校はがけっぷちじゃない!」

「不登校って、そもそもがけっぷちじゃないんですよ」。これは、菅さんに話を聞いた時、最初に言われた言葉である。「学校に行かないという選択をしたのだからそれでいい。ここあっとがそういう選択をした子供たちの居場所になればいいと思っています」と続けて話す。学校に行かない子供たちの多くは、学校に行かないことに対して罪悪感や不安を抱いているという。「救う、というのは何か違う。こういう選択肢もあるよ、ということで私たちの活動を知ってくれたら嬉しいですね」と菅さん。

私は今まで、不登校は救わなければいけない存在のように感じていた。しかし、学校に行かずフリースクールに通うことも選択肢の一つなのだという菅さんの姿勢には、ハッとさせられた。自主性や自己決定の一種なのだと。

 

「自由」な居場所がここにある

フリースクールは学校と比べて、自分でやりたい事を選んでやる機会が多い。ここあっとでは、月に一度イベントを開催している。このイベントは、子供たちと一緒に作っていることもあるという。自分たちのイベントを自分たちの力で造るとなると、主体的に動く必要もあるし、他の子供たちとコミュニケーションをとっていく必要もある。自分で判断して動かなければいけないこともある。こうして養われる主体性、コミュニケーション能力、判断力は、見てすぐに認知できるような能力ではないため、非認知能力と呼ばれる。この非認知能力を伸ばせることが、フリースクールの強みなのだという。

話を聞いていく中で、フリースクールは、その名の通り「自由」な居場所だと感じた。子供たちに好きなことをやってもらい、その中で非認知能力を育てていく。そんな学校以外の選択肢が、徐々に社会に広まりつつある。時代を経て、教育の在り方も変わりつつあるのかもしれない。 (藤平)