【インタビュー】商売とボランティア、どちらも「まちのために」。若者とともに、地元のにぎわいを。【鷲頭さん:日光ぐるめ勇庵、若者団体Nit】

■まちのにぎわいをつくりたい!目指すのは若者が「このまちにいてよかった」と思えること

「日光ぐるめ 勇庵」で店長をしつつ、日光を拠点に活動する「若者団体Nit」でも活動し、若者と地域をつないでいる鷲頭勇弥さん(26)

 

Nitは、日光出身の大学生中心に2020年に設立した。「若者がこのまちにいてよかったなと思える」ことを目指して、まちににぎわいを作っていけるよう活動を継続している。「日光出身の若者から、『日光さみしいよね』『仕事があれば、地元に戻りたいけど…』、そういった声を聞いてきました」と鷲頭さん。現在は若者が交流でき、地域に関われるようなイベントの開催(月1)と、そのための企画ミーティングを行っている。過去にはボードゲーム会や、床滑の清掃活動、中学生とのまち歩きなどを開催した。

 ■課題意識もあるけれど、まずは「自分たちが楽しい」を大切に。

現在Nitのメンバーは、鷲頭さんのような日光市在住の社会人2人に加え、学生は16人ほどだ。日光出身・在住かどうかにかかわらず、「日光が好きで何かしたい」という20代までの若者なら参加できる。年齢制限を設けているのは、「年上の大人がいると恥ずかしい、緊張するという若者は多い。安心してチャレンジしやすい場づくりのために20代までにしています」とのこと。

ボードゲーム会のような気軽に交流ができるイベントは、「日光で働いている若者には夜、行くところがない」という自らの意識から始まった。「仕事、家のほかに居場所が必要だと思います。サードプレイス、とも言われますね。大変なことに挑戦するのもいいけど、自分たちが楽しむことを大切にしています」。参加者も「夜に集まれて話ができることがうれしい」と居心地の良さを感じているようだ。

 

■自分にとって日光は「地元・自慢・自信」。

鷲頭さんは生まれも育ちも日光。仕事もボランティアも、地元で一筋に活動する。鷲頭さんにとって日光とは、と聞いてみると「多様な観光資源もあり、魅力がたくさんあります。このまちが求められていることに、自信と自慢を感じています。自分以外の人にも、そう思ってもらいたい」。自分だけではできないことや気づけないことは、他のメンバーが補ってくれる。多様な知見やアイデアが入るともっといい活動ができる。Nitは鷲頭さんにとっても、自身の思いを他者と掛け合わせることができる場なのだろう。

 

■転機は、NPOインターンシップ。「商売と非営利活動、どちらも大事」

元々は仕事もボランティアも、とは思っていなかった。鷲頭さんは、大学2年生の時に商売を始めた。キッチンカーで道の駅やイベント出店などをしていた。「最初は、楽して儲けようという気持ちでした。でも、まったくうまくいかなかった。そこで、本を読んだり、長く商売している人に話を聞き、《地元のいいものをしっかりとPRしていく》ことが大切だと学びました」

 

商売がうまくいかなかったことをきっかけに、大学3年でNPOインターンシップにも参加した。“お金儲けを目的としない”NPOの運営について知りたいと思ったからだ。約1年間のインターン活動で「NPOは社会に求められること、行政や企業などが手の届かないことに取り組む大変さとすばらしさ」があることに気づいた。インターンが契機となって「商売と非営利活動、どちらも大事」だと思うようになった。

 

■たくさんの人に助けてもらった、このまちのために。商売もボランティアも目指すことは同じ。

商売としては、食べ歩きできる商品の販売を通じた、日光のPRや生産者の声の発信。ボランティアでは若者団体Nitに加え、市のスポーツ推進委員やワーケーション・移住促進のコーディネーターなど、何足ものわらじを履き活動している鷲頭さんは、「商売でもボランティアでも、目指すところは、『まちのために』」と語る。立場にとらわれず活動に取り組む鷲頭さんの軸にあるものは「まちに貢献したい」という熱い思いだった。「商売とボランティア、お互いに協力できるところは絶対にある。お互いの強みが合えば、無限に可能性が広がると思っています」

 

 

最後に今後の展望を聞いた。「日光市にいる若者がこのまちにいて良かったな、と思えるような活動を継続していきたいです。Nitでは、日光でも課題となっている空き家を活用して、駄菓子屋をやってみたいと話しています。自分個人としては…いっぱいお金を稼ぐ!自分の事業をどんどん成長させたいです。このまちで、たくさんの人に助けてもらったから、今度は自分がそうなりたい」


【若者団体Nit】

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【日光ぐるめ勇庵】

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気になる方は、ぜひ鷲頭さんに会いに日光へ!(インタビュー・文責:宮坂)