フェアトレード製品のあるお店を訪ねて⑮ーブーランジェリ・アユメイー

 ブーランジェリとはフランス語でパン屋(ベーカリー)をいう。「体にやさしい材料で作る、シンプルで飽きのこない、噛むほどにおいしいパンたちです」というキャッチコピーがこのパン屋さんの心意気を表わしている。

 店主は若い頃よりパン好きで、会社勤めをしながら自家用によくパンを焼いていたという。パリに遊んだ際、主食としてのパンを焼く店が、まちに必ず在るのを見て感じ入り、いつかそういうパン屋になりたいと思った。そして数年前会社を思い切ってやめて、パンの学校へ、そして起業。

「おいしい、という感覚は幸せのひとつ。誰もが笑顔になる。おいしいと言ってもらえるパンを作り、幸せを届けたい」と店主は語る。日本男児からは普段めったに聞けない率直なさわやかな言葉をさらりと言う。それだけ思いが強く、信念に裏打ちされたパンを作っているということだろう。

 原材料のこだわりはすごいものがある。選び抜いた強力粉、薄力粉、ライ麦粉の他、天然酵母を使い分け(白神こだま、ルヴァン種、ライサワー種、そしてワイン酵母など自家製も)、バター、はちみつ、黒糖、きび砂糖、ヨーグルト、オリーブオイル、季節毎に旬の果物を煮詰めた手づくりジャムをパンの中に入れ…という具合だ。これをひとりで、毎朝3時半から作業に入り、一日に20~30種のパンを作っている。

 将来の夢は、「焼きたてのパンはやっぱりおいしい! これを食べてもらうためにカフェスペースを店内に設けたい。石窯で焼いたパンを出すことも考えている」という。「あたたかいパンをじっくり味わう時間というのは、あたたかいものだと思うのです」。

 研究熱心な、しかも心あたたかい人柄が表われたパン、が手に入る幸せ。こんな魅力的なお店が増えることがまちの活性化につながるのではないか、と思ったことである。

 フェアトレードのバングラデシュ、ネパールの雑貨が小さな棚にさりげなく置いてあり、買うことができます。(取材:吉田ゆりの・まちなかせかいネット)


●宇都宮市宮原1-7-14(東武線南宇都宮駅から徒歩3分。宮の原小学校前)

●TEL:050-3437-2275

●OPEN:10-18時(土曜15:00まで)

●定休:日・祝・第3月曜日


■フェアトレードとは■

・国際産直

・適正な価格で取引をすることで途上国の 生産者の自立を応援

・地球環境と生態系を守る農法で生産

・お買い物が海外協力になるしくみ

 

 ※本会機関紙『隔月刊・ボラ情報』より転載