いざという時に備えて停電体験してみた

電気なしの体験をやってみよう

自立生活センターとちぎ(重度の障害を持っていても地域で自分らしく自立した生活を送ろうと、宇都宮を拠点に相談になったり、勉強会を開いている団体です)ではVネットさんの協力も得ながら防災についての勉強会を定期的に行っています。これまでも震災等に備えて防災グッズはどのようなものが必要かという検討をしたことがありましたが、今回はそのようにして揃えた防災グッズが役に立つのか、他に備えておくべきものはないのか、実際に体験してみるのがいいだろうということで、各自で停電を想定し、水道もガスも止まったという設定で生活してみました。時間はだいたい夕方から始まり寝るまで。みなそれぞれ障害があるので、身体に負担が少ないようにということで気候のいい5月に行うことにしました。

備えていたから灯りは十分

 やってみての感想ですが、灯りに関しては震災後にいろいろと買ってあったのでほとんど不自由はなかったです。乾電池使用の懐中電灯、充電式の懐中電灯、手でハンドルを回して発電するライト、ポータブル電源のライトやロウソクがあり、暗くて困ることはなく、全部つけると明るすぎるくらいでした。停電がいつまで続くか判らないときは、節約しながらにはなると思いますが。

 食事はカセットコンロで買いだめしているペットボトルの水を湧かし、常に5、6個以上あるカップ麺を食べれば大丈夫そう。おつまみ用に常備しているスナック菓子やアーモンドなどもいざというときには役に立ちそうです。だいぶ前に買った真空パックの餅の賞味期限がずいぶん前に切れていることも気づきました。

電動リフトも使えた

 私はベッドから車いすへの移乗に電動のリフトを使用しています。このリフトはコンセントをポータブル電源につないで問題なく使えました。他の体験者は電動ベッドの背を上げられなくて不便したという話もありましたが、いざというときにも100Vの電源が使えるとたいへん便利です。

重要なのは水 困るのがトイレ

 飲用水はペットボトルの買い置きがあればしばらくは大丈夫という感じでした。困るのは生活用水かな。トイレを流すにはそれなりの水が必要。お風呂に水を溜めておくといいという話も聞きますが、普段の生活を考えるとどうもそれは出来そうもありません。他の体験者からトイレの隅に水を入れたペットボトルを何本か置いているという話を聞いたので、それを実践してみようと思います。

電気さえあれば情報は入る

 情報を得るためにはラジオだろうということで、手回し発電ライトに付いているラジオを使おうとしましたが、これはあまり使えませんでした。安物だったからか、3年ほったらかしておいたせいか、なかなか蓄電されず、常にハンドルを回して発電してないと使えない感じでした。元々感度の良くないラジオが、ハンドルを回しているとうるさくてよく聞こえません。ラジオは電池式の方がいいなと思いました。ipadがあったのですが、そこにアプリを入れればラジオが聴けるということに気づいたのが、収穫でした。

やってみることが大事!

 今回は自主的なもので、数時間限りと設定した停電でしたので緊張感に欠けるところがあり、防災グッズも惜しみなく使えましたが、それでも体験してみて分かったこともあります。あてにしている防災グッズが期待通りに役立つかなど、皆さんも体験してみてはいかがでしょう。
                       CILとちぎ 永田