5/28 矢吹町一本木仮設訪問記

現在、矢吹町仮設には、月に1度のペースで訪問しています。
Vネットが訪問する時にいつも集まる住民メンバーは大体決まっていて、最近は10人位です。

5月28日の訪問では、小山市からボランティアのあきちゃんが参加してくれて、いちごのアクリルたわし作りをしました。
矢吹仮設の女性は手芸好きな方が多いので、最初に編み物が得意な人に教えれば、あとはその人から他の人たちへ、熱心に教えてくれます。
ボランティアがあれこれ言うよりも、住民同士が自分達で盛り上がってくれるのがいいですね。
女性ばかりで冗談を言い合いながら、和気あいあいと和やかな時間が過ぎていきます。


この日、2カ月ぶりに参加してくれた方がいて、「お久しぶり~!」と元気に挨拶してくれました。
編み物をしながら、「どうしてました?お元気でしたか?」と話しかけると、「実は気持ちが沈んでいて、この2カ月ずっとうちに引きこもっていたの。韓流ビデオを借りてきて家から出ないようにじっとしていたけど、勇気を出して今日出てきてよかった。みんなと話ができて楽しい。」と、涙を流されました。

富岡町から避難している方ですが、いつも周りに気を使い、仮設の婦人会の会長を務めてがんばっていた方です。
みんなで集まるその時は楽しく過ごしても、その人それぞれの心の奥底には、いろんな苦しみや悲しみが潜んでいるのだと、改めて感じました。

私達が訪問する目的は、イベントをすることではありません。
訪問を始めた最初の頃は、仮設の人たちの交流のためにイベントは必要でしたが、今の段階で必要なのは、
①訪問を続けることで、「あなたはひとりじゃない。私達がそばにいるよ。」と伝えること
②ひとりひとりの胸の内を、こっそり聞いてあげること
③狭い仮設住宅という集団で息が詰まらないように、第三者が関わることで人間関係の風通しを良くして、笑顔で過ごすホッとするひとときを提供すること
だと思っています。

この富岡町の方は、自分から集会所に来て話をすることができましたが、引きこもったまま出られない人の方が多いと思います。
ですから私達が気がかりなのは、集会所に来てくれる方よりも、出てこない人の方なのです。
集会所でみんなの前では言えないようなことも、1対1になれば少しずつでも話してくれるし、話すだけで気持ちも軽くなると思います。

時間がある時は、仮設住宅を1件1件訪問して声をかけますが、スタッフの人数が少ない時はそこまで手が回らないのが現状です。
せっかくVネットとご縁があって訪問させていただいている仮設ですから、孤独になったりつらい思いをしないような働きかけをしていきたいと思っています。

月に1度の矢吹仮設訪問ですが、ひとりひとりの話に真剣に耳を傾け、少しでも心の重荷を軽くできるような活動を続けたいので、ぜひ皆さんも一緒に矢吹町仮設に行きませんか?
一緒に訪問してくれるボランティア募集中です。

次回の訪問は、6月25日(月)です。
作新大学准教授の福島明子先生と一緒に、自分の好きな香りの香水を作り、雑誌や写真などの切り抜きを貼ってコラージュした作品に吹きかけるという、アロマコラージュ療法を行う予定です。

1月に第一回目を行いましたが、自分の好きな香りの香水を作ることに皆さん真剣で、五感を使いながらいろんなイメージに浸り、心地よくリラックスすることができました。
普段自分のために贅沢をしない仮設の人たちですが、世界でたった一つの自分だけの香水を作れたことも、とても喜んでいました。

前回の様子とアロマコラージュ療法の説明はこちら。
http://www.aromacollage.com/%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E4%BB%AE%E8%A8%AD%E6%94%AF%E6%8F%B4/

皆様のご参加をお待ちしています。
お気軽にお問い合わせください。

《Vネット事務局》 
災害関係、災害ボランティア希望などのお問合せ
電話 028-627-5590
FAX 028-623-6036
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矢吹町担当:鈴木奈津子