まけないぞう通信in気仙沼~大使たちの活躍~

目を見張るような満点の星空の下のキャンパチからこんにちは。圧倒的な輝きに、寒いのに目が離せず立ちつくしてしまいます。ここには街の中ではなかなか見ることのできない本当の“まっくらやみ”がある。

 

さて今回は、気仙沼のまけないぞう大使(まけないぞうの活動を一緒にしてくれる仲間のこと)の活躍からご紹介。

 

まず講習会に行くと、言葉が同じという事もあり話がはずむはずむ。私と話していた時の1.5倍速で、更に聞いたこともない方言もするする出てくるのでほとんどついていけません。


みんな、実はこんなにおしゃべりだったの?

 

そして気仙沼の大使たちは私なんかよりはるかに多くのぞうさんを産み出しているので、上級テクニックを伝授し、講習会の充実度が増す。大使それぞれにこだわっている箇所もあり、それを見るのも興味深い。みんな、新しい発見に少女のように目をキラキラさせて聞き入っています。


地元ではない私たちが何度も通ってやっと見せてくれる笑顔は、大使の手にかかるとものの数分で出てくる。まるでマジック。

 

それでも私たちが被災地に足を運ぶ意味は十分にあると実感させてくれたのは

 

「被災者同士話をしていると息がつまるときあるっちゃ。皆それぞれ被災の状況も今のおかれている環境も違うから問題が繊細過ぎて疲れるの。妬みやひがみの気持ちが出る時もあって自己嫌悪に陥ることもある。よそから来た人達と話をするのは気分転換になるし、その一時だけでも震災があったことを忘れられるから大切な時間。いろいろな立場の人達と話をしたり接することが癒しに繋がるし、今の私達には必要なんだ。」

 

という大使のKさんの言葉を聞いたとき。

 

そして気仙沼住民のTさん。ご夫婦二人三脚で震災当初からボランティア活動をされている。

 

「最初の頃はね、観光みたいに被災の状況を興味半分に見に来る人達のこといやだなって思ったの。でも最近ではどんな理由でもいいから、まず来て見てほしいって思うようになってきた。当たり前だけどTVで見るのと自分の目で見るのでは全く感じるものが違うじゃない。今まで遠くのどこかだったのがぐっと現実的になって、何か感じたら戻って行動してくれるんじゃないかな」

 

「若い人の声を聞いたり顔を見るだけで元気になるし、その場の空気が変わるよ」

 

とはまけないぞう講習会参加者の声。

 

栃木チームのボランティアの若い女の子の隣に座って、モーレツにアタックしているおじいさんを見ても、やはり私たちが現地に赴いてでできることはまだまだあると思う。

 

「愛の反対は憎しみではなく無関心」とマザーテレサは言った。

 

何かしたいけれどどうしよう?何が出来る?迷っているなら、まずは小さな一歩から。無関心はきっと一番ヤバイ。

 

震災をこの地で体験した人々も、現地で活動している私達も、遠く離れた場所から被災地を思う人も、何とかしたい、どうすればいい?こんなのあり?うれしい、つらいよ、ありがとう、少し手を貸してほしいな、誰かと話がしたい、今はそっとしておいて、いろいろな思いがぐるぐるして日々たくさん迷っている。

 

応援したい気持ちに決まった形もルールもなくて、様々な人達が様々な形で関わり続けることで、背負っているものが軽くなったり心の中の暗闇が希望の光に変わっていくのではないかと思うのです。

 

時間がある人は時間を、お金がある人はお金を、どちらもないときは祈りを。

 

「マヨワズススメ ヒカリサスホウヘ」

キャンパチ駐在:滝口 奈緒美